美しく舞う桜 (ページ28)

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密命ページ28

髭切、膝丸がやってくる

三日月「おやご両人、こんな夜更けにどうした？」

髭切「月を愛でに‥・かな？」

三日月「ふむ、そうか。俺は休むとしよう。老骨に夜更かしはこたえるのでな。」

三日月宗近がいなくなる。髭切は月を眺めている。

膝丸「しかし・・・三日月様を見張れとは…まるで密偵だな。」

髭切「おや？主はそんなことを命じたのかなあ」

膝丸「同じことだ。兄者」

髭切「まあ、来たばかりの僕らだから物事を公平な目で見られるだろうって、主はそこに期待してるんじゃないかな。」

膝丸「穏やかそうに見えて一切隙を感じさせなかったな…」

髭切はずっと月を眺めていた。

膝丸「兄者」

髭切「良い月だよ。欠けているけれど…あの月、見えない部分も月なのかな。」

膝丸「兄者。俺には見えているものしかわからない。」

髭切「見えない部分はいったい何処を照らしているんだろうねえ…それとも、そこは本当の闇なのかな。」

膝丸「・・・」

髭切と膝丸がいなくなり、小狐丸と桜姫が現れる

小狐丸「…見張る…何ゆえに…三日月殿…あなたは…」

桜姫「(いったい何を抱えていらっしゃるのですか？)」

小狐丸「御姫様、参りましょう」

桜姫「…はい」

小狐丸と桜姫も去っていった。