審神者の間 ページ26
審神者の間には髭切と膝丸がいた。
審神者「どうですか？この本丸は？」
髭切「過ごしやすそうだね。いいと思うよ。」
審神者「始めのうちはなかなか慣れないことも多いと思いますが…」
膝丸「我ら兄弟は様々な場所を転々としてきた。順応するのには慣れている。心配は無用だ。」
審神者「そうでしたね。もう誰かに会いましたか？」
髭切「会ったよ。え〜っと、なんて言ったかな？」
膝丸「三日月様、小狐丸様に、桜姫様だ、兄者」
髭切「そうそう。あの三日月宗近というのはいいね。都のかおりがする。」
膝丸「武家の出の我らとは纏っている空気が違うな。」
髭切「そうかい？」
審神者「…来たばかりで申し訳ありませんが、近いうちに出陣してもらうことになりそうです。」
髭切「うん、いいよ。早くこの身体っていうのにも慣れておきたいからね」
膝丸「戦場でこそ源氏の本領が発揮できるというものだ」
審神者「その上で、あなた方には頼みたいことがあるのです…二つほど」
髭切「なんだろうねぇ」
審神者「一つは三日月宗近のことです。」
髭切「彼が、どうかしたのかな？」
審神者「…ここでは話せません。これは密命です。奥の間へ…」
審神者がいなくなる
髭切と膝丸は顔を見合わせ、奥の部屋へ向かう。
小狐丸は、怪訝な顔をし、いなくなった。
一方、桜姫は本丸での雑務をしようと自室まで行こうとした時、小狐丸が険しい顔をしているのに気づいた。
桜姫「小狐丸様？」
小狐丸「これは、御姫様」
桜姫「険しい顔つきをしていましたが、何かあったのですか？」
小狐丸「・・・」
桜姫「三日月様のことですね？」
桜姫に悩みごとの種を気づかれた小狐丸は驚いた。
小狐丸「なぜ、おわかりに？」
桜姫「ふふっ。秘密です。」
桜姫が笑ったことにより少しだけ緊張がほぐれたのか、小狐丸は髭切と膝丸が密命を受けたと桜姫に伝えた。
桜姫「密命・・・」
小狐丸「はい。」
桜姫「何かあれば私たち三条のものにも話があるはずです。それまで待ちましょう。」
小狐丸「御姫様がそうおっしゃるのなら」
２人はそれぞれ去っていった。
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年12月17日 18時
