美しく舞う桜 (ページ18)

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戻ってきた日常ページ18

本丸中庭

陽光の差す春の一日

石切丸とにっかり青江が並んで座っている

石切丸「にっかりさん」

にっかり「？」

石切丸はにっかり青江の似顔絵を見せ

石切丸「ほら」

にっかり「なんだいそれ？」

石切丸「にっかりさん」

にっかり「…ふーん。君には僕がこんな風に見えてるんだねえ」

石切丸は少し悔しがり

石切丸「じゃあ、これはどうだい？」

大俱利伽羅の似顔絵を見せる

にっかり「大倶利伽羅？」

無言で頷く石切丸

にっかり「思い浮かぶよ…これを見たときの彼の表情がね」

石切丸「・・・」

少々納得のいかない気持ちになりつつも書きつけに戻る石切丸

そこに千子村正と蜻蛉切がやってくる

村正「つまり、家康公は、幸運であると自分に言い聞かせていたわけデスね。不幸の塊のような人生だったのに」

蜻蛉切「ああ、そして…物吉貞宗はその思いを受け止め続けていたのだ」

村正「なるほどデスね」

蜻蛉切「どうだ？これを機に徳川家への印象を改めてみては」

村正「それとこれとは話は別デス。印象というのはそうそう変わらないものなのデスよ。何年妖刀やってると思ってるんデスか」

蜻蛉切「ふっ…まあいい」

蜻蛉切は構えて

蜻蛉切「さあ、胸を貸そう。かかってこい！」

千子村正も構えて

村正「それはどんな悪戯をしてもいいということデスね」

物吉貞宗がやってくる

物吉「あ、剣術の稽古ですか？ボクも仲間に入れてください」

村正「かまいませんよ。終わったころにはお互いなにも着ていないかもしれませんが…」

物吉「それは困りますね…では、またの機会に！」

村正「お待ちなさい！逃がしませんよ！」

物吉「うわああああ！」

叫びながら走り去っていく物吉貞宗と彼を追いかけていく千子村正

蜻蛉切「コラ！」

蜻蛉切も怒りながら去っていった