美しく舞う桜 (ページ43)

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百姓の男ページ43

～丸根砦付近～

「オラならできる…オラならできる」

足軽たちが集まっている

その中でもひと際貧しい風体をした男性を嘲笑する足軽たち

「おい、お前。そんな恰好でどこへ行こうというのだ？」

「・・・戦だ」

笑いが止まらない足軽たち

「やめとけやめとけ、犬死するだけだぞ。百姓は百姓らしく土に塗れておれ」

「…へっ」

強がって嘲笑する男性

「…この野郎！」

「戦の邪魔だといってるのがわからんのか？」

「う、う、うるせえ！」

腰のものに手をやる男性

「ほお、やるか？」

足軽たちは刀に手をやる

男性は刀ではなく、鎌を抜いた

再び嘲笑う足軽たち

「お前、刀も持っておらんのか？」

「そんなもので戦を？とんだどん百姓じゃのう？」

「お、お前らなんかこれで十分じゃ！」

「何だと、この野郎！」

足軽たちは男性の周りを囲い、蹴ったり殴ったりし始める

そんなとき、男性の背後から大俱利伽羅と男装をした桜姫が現れた

２人の気迫に足軽達は後ろに下がる

「兄貴、おせえじゃねえですか」

大俱利伽羅と桜姫の方を向いて言う男性

大倶利伽羅は男性に全く興味を持っていない様子。

桜姫はどういう状況かわからず、困惑した顔を浮かべていた。

「おい、おめえら。我らにかなうと思っておるんか！」

その言葉の逆上した足軽たちが男性を襲おうとするが、男性は大倶利伽羅の後ろに回り込んだ。

その様子を見た足軽たちは舌打ちをし、去っていった。