かくしごと ③ ーKEIー (ページ8)

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ｓｅｃｒｅｔ１０６ページ8

＿9時

夏休みのど真ん中の海水浴シーズンということもあり、

9時ですでに多くの人で溢れかえっている

じりじりと真夏の太陽が肌に照りつけ、

汗がつーっと額を流れたのを感じた

更衣室の前で別れて水着に着替える
男なんて脱ぐだけだから一瞬で終え、外で待機

二人の時はビキニが良いってリクエストしたけど、

いざ、となると…なんかソワソワしてきた…

海にはたくさんのビキニを着たお姉さんたちがいたけど、

　全くドキドキしなかった

隣のAしか気にしてなかったから

「慧さん」

声を掛けられ、緊張しながら顔を上げる

「なんか恥ずかしいな…//」

リンゴみたいに頬を染めた君

多分俺の頬も同じ色をしていることだろう

水色のフリフリの水着
清楚な彼女に似合っていて、爽やかさを感じさせる

でも肌出すぎじゃない…？

じろじろとAのことを見る男性たちの視線が気になる

『ラッシュガードないの？』

「なしがいいって言ったのは慧さんじゃん！恥ずかしいよ…」

不意に俺の腕に体を寄せてくるから、

心臓はバックバク

『で、でも…すごい似合ってて可愛いよ』

「本当…？良かった」

すると突然、

「あっ！！」と声を上げてかばんを漁りだしたA

「慧さんに日焼け止め塗るの忘れてたの！

もうすでに赤くなっちゃってるし、痛くなっちゃやだからね」

　やだからねって可愛い笑

ベンチに座ると、早速顔にペタペタと塗られる

指が瞼まできたから目をつぶると、向かいからふふっと笑い声が漏れてきた

「慧さんの肌もっちもちですごい気持ちいい…
　ずっと触ってたい」

『今笑ったでしょ』

「女の子みたいだなーって思っただけ」

顔全体に塗り終わった後、何かを考えるかのように俺を見るA

おもむろに日焼け止めを差し出してきた

「体は自分で塗って…//」

その一言ですべてを理解した俺は急いで塗りたくった

さすがに俺も顔はいいとして、体までやってもらうつもりはなかったよ

『うわぁ！！』

突然冷たい冷気が頭をくすぐったと思ったら

スプレー缶を手にしたAが俺のビビりな反応に笑っていた

「日焼け止めスプレーでした～」

『もう…びっくりさせないの！』

日焼け止めだけでもいくつもアイテムがあって
女の子って大変だなってつくづく感じた