大型犬みたいな奴 ラバーソール ページ4
「うッ!?」
薄暗い路地の中、身体に張り付いたベトリとした感覚に身震いした。
シャツ越しに腰を撫で、ジーンズの上から脚を這いずる黄色のヘドロ。
出所は…路地の奥。暗闇から出てきた目鼻立ちのハッキリした男。
「ラバーソール…」
「よォAせんぱぁい」
「放してくれる?」
「い、や、だ、ね〜」
嫌悪感丸出しにして睨みつけているのにこの男…ラバーソールはニヤニヤ笑ったまま。
私を壁まで追い詰めて、指で私の頬を撫でた。
「何か用?」
「ん〜、何度も好きだって言ってるのに全然振り向いてくれないじゃん?どうしようかって俺なりに考えてみたんだよね」
「…その結果がこれだとしたらかなり悪趣味だよ」
「そう言うなよ」
奴のスタンドは私の髪や腕にも絡み付いてくる。
自分の見た目に自身があるらしい彼は、得意気な笑みを浮かべている。
「何度も言ってるでしょ…断るって」
「何でだぁ?こんなハンサム他にいないぜ?」
「その性格に問題があるの。てか、早くこれ解いて…」
「聞こえねぇなぁ」
このドロドロ…生理的に受け付けない。
奴は更に身体を寄せてきて密着させる。ぐじゅり。私達の身体の間で潰れたヘドロが音をたてた。
引き離そうと両手で厚い胸板を押してもビクともせず、大きな手に一纏めにして掴まれてしまった。
足の間に膝を押し込まれ、擦り合わせられる。
「やっ…」
「なぁ、そろそろ振り向いてくれよォ。俺、アンタがすげぇ好きなんだ」
「…」
「A…」
甘えるような声。子犬みたいないじらしい表情。
素直なのは奴の美点かもしないが、ここで流されるわけにはいかない。
「駄目だってば」
「つれねぇな」
「んっ…!」
壁と私の間に腕を差し込み腰を撫でられて、思わず男の困り顔を睨み付けた。
「奪っちまいてぇよ。A」
「っ、駄目」
「頼むよ……もう好きすぎてどうしたらいいかわかんねぇよ」
スタンドの面積はどんどん広がり、遂にはラバーソールと私をドーム状に覆い隠してしまった。
体中に絡みつき蠢いているヘドロは彼の独占欲の表れか。
…ほんの少しだけ、心が動いてしまうのがわかった。
私は彼の髪を撫でて言った。
「……友達から」
ボソッと呟いてもハッキリ聞こえたようで、ラバーソールはパッと表情を明るくした。
「よっしゃ!大好きだぜ、A!!」
額を合わせられ擦りつけられる。
さて、この大型犬をどうやって躾けるか…考えただけで、ため息が出た。
私の考えた暗殺チームプロフィール(捏造・ネタバレ注意)→←私はアンタの姉さん DIO
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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか? (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ! (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒヨコダイル | 作成日時:2018年9月17日 21時