悪魔の囁き 腐れホットドッグ(原材料肉まん)さんリク 呪いのデーボ ページ29
今日こそ早く帰ろうと決めていたのに、家に帰ると時計の針は0時をさしていた。
やれやれ…これじゃあ明日の休みも寝て過ごしてしまいそうだ。
一人暮らしのアパートにおいて、明かりを点けて待っててくれる家族はいない。
真っ暗な部屋の中、食材の入ったビニール袋を冷蔵庫の上に置こうとして、気付いた。
冷蔵庫の中身が全部、冷蔵庫の上に出ている。
私こんなの出してたかな。
外に出して腐る物は無かったはずだからもう明日の朝でいいや。早く寝よ。
歩き疲れてフラフラの足でベッドへ歩く。
刹那、キラリと何かが暈けた視界の端で光った。
暗い部屋にパタパタパタと響く軽い足音。
いくら疲れていたって、流石に脳が警報を響かせて意識が覚醒した。
この部屋、何かいる。
血の気が引く顔、粟立つ背、震える足。
ダメ。慌てるな。慌てたら、たぶん死ぬ。
喉に膜ができたかのように呼吸が難しくなる。
大丈夫。夜が明ければ何もいないただの朝がやってくる。怖いのは夜が暗いから。
自分に言い聞かせてベッドへの一歩を踏み出そうとした時。
「無視してんじゃねーゼッ！！」
甲高い声が足元で聞こえて、次には腰のあたりを思いっきり押された。
細くて柔らかいのに力強いそれは何かと振り向いた。
鋭い牙を持つ民族的な人形の、血走り光る目と目が合った。
「ッ……！！」
息を呑むとほぼ同時に私は床に倒れこむ。
人形はそんな私を馬鹿にするように背中の上でピョンピョン跳ねる。
遠くから音がする。冷蔵庫が、開いた？
チラリと見たそれは、冷蔵庫から這い出てきた大男。
大蛇のような三つ編み、胡乱な目つき、傷だらけの身体。
人間離れしたその風貌は、まるで悪魔だ。
やめて、これ以上私に近寄らないで。
恐怖で竦む身体を無理やり持ち上げて立ち上がる。
でも足を踏み出すより先、大きな手が首を掴んで、
「A」
悪魔が耳元で低く重く囁いた。
四の五の言う間に目の前のベッドに投げ出される。
それから熊のような大男の身体が覆いかぶさってきた。
「ぃ、や……ッ！」
頬を掠める黒髪と、横につかれる太い腕。
その間人形は、綿の詰まっただけの体とは思えない力で手を押さえつけてくる。
呼吸困難になりながらその顔を振り向く。
周りの窪んだ月色の目は虚ろで、それでいてどこか熱を帯びていた。
とうとう手放しかけた意識の中。
「愛してるぜ……A」
悪魔の囁きは甘く重く、私の中に堕ちていった。
微笑 ですしお寿司さんリク ディアボロの甘々→←花がその手に堕ちるまで あいすすとろべりーさんリク DIO
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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (
レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか？ (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ！ (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコダイル | 作成日時：2018年9月17日 21時
