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泣かないで(2) リゾット・ネエロ ページ23

しばらくして、なんとか涙が止まってくれた。

慰めていたつもりが慰められてしまった自分が情けなくて、謝罪の言葉を述べる。


「ごめん、ごめんなさい、リゾット…」

「別に構わん。A、聞いてくれないか」


顔を上げるとちょっと困り顔で見下ろしている。


「実は、最近なかなか眠れなかったんだ」

「知ってる。ここ最近は顔色悪かった」

「Aさえよければ…一緒に寝てくれないか?お前がいてくれたらよく眠れる気がするんだ」

「勿論。今日は一緒に寝よう!」


やっと頼ってくれたことが嬉しくてすぐに頷いた。

グラッツェ、と短く述べてリゾットは優しく頭を撫でてくれた。


先にベッドに潜り込めば、もぞもぞと緩慢な動きでリゾットも入る。

身体の大きい彼が窮屈でないように端の方に避けたのだけど、身体を引き寄せられる。

驚いて見ると、「こっちのほうが温かいだろ」なんて。

乗り気だったくせに今更になってなんだか恥ずかしくなってきた。

逃がさないと言うように背中に腕をまわされてはもう大人しくする他なかった。


「お前のおかげでよく眠れそうだ」

「よかった」


ふいにリゾットの顔が近づく。

え、なに?

思わず目を閉じると、チュッと軽い音と共に瞼に柔らかく唇が触れる。

普段ぶっきらぼうでキザなこととは無縁のリゾットが……。

信じられなくて、嬉しくて、ぽかんと彼を見つめる。


「Aもしっかり眠れよ」

「う、うん……」

「Buona notte」

「うん、Buona notte…」


大きな手を握ると、にこり。

彼はやっと微笑んでくれた。

安心すると共に強烈な眠気が襲ってくる。


リゾットが目を閉じたのを見届けて私も目を閉じた。


泣かないでとはもう言わない。

いつかリゾットが本当に泣いてしまう日がきても、

それを受け止めて、本当の意味で慰めになれるような女性になりたいと思えたから。




====

なんとなくオチがつきませんでした(汗)。

仕事疲れのリーダーと、落ち込んでるのかと勘違いした女の子。

女の子の気持ちを汲んで力になってもらえることを提案するリーダーイケメン。

って話を書きたかったんです。

スランプ中ヒヨコダイル。

暗殺チームが幼女を拾ったようです 暗殺チーム→←泣かないで(1) リゾット・ネエロ



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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか? (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ! (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒヨコダイル | 作成日時:2018年9月17日 21時

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