素直になる時、笑顔になる時 海守青空別垢さんリク ギアッチョ ページ43
「ハァァァ……」
俺は今日何回目、いや何十回目のため息をつく。
「おーおー、でっけぇため息だなオイ」
通りすがりのホルマジオが、俺を見て笑う。うるせぇよ。
怒りをぶつけようと睨みつけるが、そんな気にもなれずソファに寝転んだ。
「どうした。お前らしくもねぇ」
「…るせぇよ」
髪をグシャグシャに掻いて、ホルマジオを怠く睨む。
しばしして、目の前の坊主野郎はニヤリと笑う。そして……
「Aか？」
そう言うから、
「バッバカ違ぇ！！断じて違ェッ！！！ボケがッッ！！！！」
「アッヒャヒャヒャ！しょおがねぇな〜〜！！」
でけぇ声で慌てて否定したら、アイツは俺を笑い飛ばした。いつかブッ飛ばしてやる。
「で、Aがどうしたんだ？喧嘩か？」
「………」
認めたくねぇが、全部図星だ。
俺がアイツのことでため息をついていること、それは喧嘩したのが理由であること。
観念して俺は口を開く。
成り行きはこうだ。昨日アイツが俺とお揃いで、と青いグラスをくれた。
正直、すごく嬉しかった。だが俺は物持ちが良い方じゃない。
そんな俺にグラスなんて。そう思って咄嗟に、『使えねぇよ』と言ってしまった。
慌てて取り消そうとするも、アイツは俯いて差し出したグラスを引っ込めて、
『ごめん…そうだよね。お揃いなんてがらじゃないよね……ごめんギアッチョ』
「そう言って、泣いて走っていっちまって…」
「そこは追いかけろよオメー…」
俺だって追いかけたかった。いやそもそも、笑って受け取りたかった。
だが俺にはできなかった。照れくさくて、恥ずかしくて、情けなくて。
そんな俺のちゃちいプライドなんかのせいで、大切なアイツを泣かせちまった。
あの時の自分を殴り飛ばしてぇ。
「なぁ、ギアッチョ」
「あ？」
「嬉しかったんだろ？アイツの気持ちが」
「………おう」
「なら行けよ。早くしねェとアイツ、捨てちまうぞ？もしくは別の男に…」
「ッ！！」
別の男？それだけは許せねえ。絶対、納得いかねぇ。
勢いよくソファから起き上がり、外へ駆け出す。
「おーおーがんばれバンビーノ」と背中に浴びせられたが、もう気にしてられねぇ。
アイツの家へ全力疾走し、ドアを勢いよく叩く。
中からは泣き腫らした目のアイツが出て来て、また胸が痛くなった。
だがもう何も隠さねぇし、ちゃんと言う。
戸惑いの表情を浮かべるAの目を見て、息を吸った。
続く。
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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (
レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか？ (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ！ (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコダイル | 作成日時：2018年9月17日 21時
