血の通わない人形５ (ページ10)

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辰哉side

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相葉「僕がしゃべりかけてもほとんどしゃべりませんでした。だから名前も知らなくて。」

　

無反応で、ただぼーっと相葉さんを見ていたらしい。

　

相葉「体のやせ細り具合で、咄嗟にパンをあげました。するとようやく、反応してくれたんです。よっぽどお腹が空いてたんじゃないかな？」

辰哉「・・・・・・。」

相葉「ずっと怯えてました。体を縮こまらせて。」

　

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その日以来、あまりにも放り出される頻度が多いこと気にして、よくベランダを気にかけるようにしていたそうだ。

しつけにしては度が過ぎている。

そしてよく聞こえた怒鳴り声。

相葉「てっきりお父さんかと思っていたんですけど、男の人の怒鳴り声がよく聞こえました。」

辰哉「男の人・・・。」

相葉「そうです。実際には見たことないですけど。声だけでもかなり怖そうな人でした。」

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