血の通わない人形５ (ページ9)

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辰哉side

コーヒーを二つテーブルに置く。

辰哉「どうぞ。」

相葉「ありがとうございます。幸せそうですね。ラウール君。」

　

辰哉「まだほとんど無表情なんです。康二が撮るの難しいって困ってました(笑)」

相葉「でも・・・あの時に比べたら全然良い表情ですよ。」

　

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辰哉「えっと・・・、どうやってラウールを知ったんでしょうか？」

相葉「ラウール君っていう名前も実は知らなくて。部屋が隣だったんです。よくベランダにいました。」

話を聞くと・・・

相葉さんもブライダルカメラマンとして仕事をする傍ら、風景写真も撮っているらしい。

ベランダから見える朝日がすごくきれいで、よく写真を撮っていたと話す。

相葉「あの日は、泣き声が聞こえたんです。」

シクシクと泣く小さな声。

どうしても気になって、つい立を超えて様子を見てみると、

体を縮こまらせて、泣いている少年。

早朝に何をしているんだ・・・と思ったが、

その顔と体を見れば、一目で彼の状況を察知したそう。

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