血の通わない人形５ (ページ5)

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辰哉side

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ラウールを連れて、初めての遠出。

って言っても車で３０分くらいなんだけどね。

都心の大きいホールに、でっかい看板。

　

ラウールのことも考えて、朝早い、比較的空いている時間帯にした。

中に入ると、大きく飾られたたくさんの写真。

　

翔太「康二の写真から見よう。」

　

康二の写真もでかでかと拡大されて展示されていた。

大介「おぉ～！」

涼太「いい写真だね・・・。」

照「うん。」

亮平「こういう写真、康二らしい。」

みんなに褒められて嬉しそう。

昨年家族で紅葉狩りに行ったときの写真。

俺らをバックに夕日が差し込み、紅葉の赤と絶妙なコントラストがなんとも素敵な写真だった。

その写真をぼーっと見つめるラウール。

この時はまだ、ラウールが来る前だから、後ろ姿は７人。

康二「来年はこの中にラウも入るんやで。」

ラウ「・・・・・・。」

ぼーっと写真を見つめる。

何か心が動かされているような、

そんな気がした。

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