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辰哉side





目の前に小さいお花屋さん。


病院だからそりゃ花屋あるよな。


いつもと違う通路から来たからなんだか新鮮で思わず立ち止まる。


いつもは花なんて見向きもしないけど

今日は・・・

買ってみようかな。

なんて思ってみたり。





もうすぐ閉まるんだと思う。

閉店作業しているお店の人を横目にたくさんの花を見つめる。


ふと、お花の名前の下に説明書きが。





  花言葉は“目覚め”





うん。これにしよう。

そう思い、濃いピンク色の花をつけた枝を手に取る。

これでラウールが目覚めてくれたら・・・

願掛けじゃないけどさ。

もう、こういうものにも縋りたくなってしまうんですよ。









「ありがとうございました〜。」


ウキウキとした気持ちで、長い廊下を進む。


ふと、エレベーターの前で立ち止まる。


あれ・・・?









辰哉「花瓶ないじゃん・・・」


まじかよ・・・

普段買わないものを買うんじゃないな・・・


一晩このまま放置するわけにもいかず・・・

結局その花はお持ち帰りすることになったとさ。


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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時

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