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翔太side
辰哉の顔を見て、みんなの表情もとてつもなく暗かった。
辰哉「それからさ、母さんと連絡が取れないんだ。どこに行ったか、何をしているかも分からない。でもラウがこんな目にあった以上、やっぱり許せないよ。もし、接触があったら、すぐに通報する予定だから。」
各々頷く。
もちろんここにきて母さんをかばう人は誰一人いなかった。
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沈黙が続く・・・
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大介「もう悩んでてもさ、しょうがないじゃん。」
こういう時、空気を変える天才。
康二「そうやな!悩んでてもしょうがないな。母さんが見つからん状況ってことは、ラウが目覚めたら、ここで引き取るんやろ?」
辰哉「うん。そのつもり。兄弟全員でまた暮らしていこう。大変になると思うけどラウを一緒に支えてほしい。」
辰哉の目からも涙がこぼれた。
長男として、今までの状況に気が付かなかった、申し訳なさなのか。
頭を下げる。
翔太「やめろよ。調子狂うじゃん。当たり前だよ。みんなで支えていこう。」
涼太「そうだよ。あの頃みたいに一緒に暮らしていこう。また元通りになるよ。」
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並べられた料理は冷めてしまったが、
深澤家が一つになり、心が温まる・・・
そんな瞬間だった。
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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時