―３１２― ページ7
涼太side
・
ラウールの誕生日。
せっかくだから盛大に祝ってあげたい。
今まで祝えなかった分もね。
そんなことを考えていたら、
辰哉「えっ・・・？」
辰哉から漏れる低い声。
手紙を読み進めている顔がどんどん険しくなっている。
涼太「なに？なんかの伝言？」
辰哉「いや、え、ちょっと待って。」
涼太「なに(笑)誰から？」
確実に混乱している辰哉を横目に、
手元の手紙を覗き込んだ。
そこには・・・
「お兄ちゃんへ」という書き出しから始まるラウールの文字。
涼太「ラウからじゃん。」
ただの手紙？と思った俺が馬鹿だった。
読み進めていくうちに気が付くことになる。
“迷惑ばかりかける弟で”
“出来損ないの弟で”
“ごめんなさい”
涼太「え？これ・・・どういう・・・？」
“今までありがとう”
“さようなら”
ちょっと待って。
どういうこと？
俺らは顔を見合わせた。
・
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作者名：ゆり
| 作成日時：2022年11月1日 0時
