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涼太side
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康二「そう言えばな。」
涼太「うん?」
康二「水族館で二宮に会った時な、蓮が二宮のこと“あの人嫌い”って。言とった。」
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蓮「俺、あの人嫌い。」
康二「はぁ〜!?なんでや?」
蓮「俺の嫌いセンサーが反応した。」
ラウ「なにそれ(笑)。」
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康二「あの時は笑っておしまいやったけど。蓮の言ったこと、あながち間違いじゃなかったんやな。」
亮平「さすが蓮だね。」
辰哉「人を見る目はあるよな。」
康二「それにな、今思えば平日の学校ある日に水族館なんて行かんやろ。普通。ラウールのこときっと付けてたやろなって。」
俺たちとしては、ラウールを助けられなかった後悔もあるし、
何ともやり切れない気持ちだけど。
とりあえず、ラウールを苦しめていた人がちゃんと裁きを受けてくれて良かったとは思う。
あと、解決しなきゃいけない人がもう1人。
亮平「ねぇ・・・どうすんの?」
康二「全然連絡とれへん。既読にもならんし。さすがになぁ・・・」
辰哉「仕事も学校も休んでるしね。」
涼太「そこなんだよね。」
そう。
今一番心配なのは蓮のこと。
心の支えだったラウールがいとも簡単にいなくなってしまい、
俺らですら喪失感・無力感に苛まれていた。
それをもろに感じているのは他でもない蓮なわけで。
大好きだったラウールを失った悲しみは大きすぎて、
蓮の生きる希望すら奪っていた。
俺が作って持ってったおかずもきっと食べてないだろうし。
実家に戻そうかとか、色々連絡とり合ってみたんだけど・・・
今は1人になりたいってさ。
涼太「本当にどうするかね。」
康二「このままじゃホンマに心配やなぁ。」
辰哉「俺にさ、考えがあるんだ。」
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時