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―95― ページ10

辰哉side








急いで、病院に駆け込む。



康二から連絡をもらい、救急車で運ばれたとのこと。





まさか・・・


自分の手を切っていたなんて・・・



救命の中に入ると、


そこにはうなだれた康二が座っていた。





康二「辰にぃ・・・」



辰哉「ありがと・・・、康二。」



どうやら処置中のようで、長椅子に座って呼ばれるのを待つ。


そういえば・・・


前回もこうしてラウールのことを待っていた。


俺らは、結局見ているだけで、何もできない。


ただの傍観者だ。


辰哉「康二がいてくれて良かった。誰もいない日だったら・・・って思うと怖いよ。」


康二「ほんと・・・焦った。ラウ・・・居なくなっちゃうんかと思った・・・。」



目に涙を溜めて話す康二。


よっぽど怖かったと思う。


康二「ラウ・・・死にたいんかな?」


辰哉「・・・・・・。」


上下に動く康二の背中をさすり、肩を寄せる。


ただただ、呼ばれるのを待つしかなかった。


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作者名:ゆり | 作成日時:2021年1月4日 18時

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