―97― ページ12
辰哉side
・
櫻井「急にびっくりしましたね・・・。」
康二「ほんまに・・・心臓止まるかと思いました・・・。」
櫻井「お兄さんがいてくれて助かりました。止血も上手にできてましたよ。」
康二も安堵の表情を浮かべる。
櫻井「ここ数日の様子はどうでしたか?」
・
カウンセリングに通うようになって数回。
だんだんとラウール自身も櫻井先生に慣れようとしていた。
俺と康二で最近の様子を話していく。
少しずつ言葉をしゃべってくれること。
お手伝いをして褒めるとなんとなく嬉しそうにすること。
特に違和感なく過ごしていたが、ここ最近調子が何となくよくないこと。
・
櫻井「そうですか・・・。少しずつ、皆さんに馴染んでいっていますね。」
にっこりと微笑んだ後、話を続ける。
櫻井「ただ、腕に数か所、おそらく最近付けられた傷がありました。」
辰哉「えっ・・・?」
櫻井「おそらく・・・お兄さん方が仕事の間に、一人で今日みたいなことをしていたのかもしれません。」
辰哉「・・・・・・。」
康二「・・・・・・。」
櫻井「最近、ラウール君に刺激があったことはありますか?例えば、殴る、蹴るを目撃するとか、外部の接触があったとか。」
辰哉「いや・・・特にはないと思います。」
・
1699人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆり | 作成日時:2021年1月4日 18時