いってらっしゃい ページ8
アンケート見たんですけれども五分で決めがたいので、今回は村長千空でいきますね!
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「悪い、A。しかしルールはルールだ」
金狼が、静かにそう告げた。
……やっぱり、私がいくら仲間でも入れてくれないかぁ。
でも金狼の瞳からは、温情が感じられる。
本心では、御前試合を観戦させたい、とか思ってるのかな。
……私には、それだけで十分か。
「それはしょうがないね……。金狼、こんなことを言わせてしまってごめん」
「………Aが謝ることではない」
「そうだね」
「そこ肯定すんのかよ」
部長が半目で突っ込んだ。部長の方を見ると、なんだかつまらなそうだ。
「まさか金狼に妬いたか?」
「ちょっといい雰囲気だったからな」
後ろでこそこそと言い合っているコハクとクロム。
ちょっと言ってる意味がよく分からないが、部長はその後二人に何かを諭していた。
「?とりあえず、科学王国の誰かが村長になったら、村長権限でどうにかしてね」
「ハ、もちろんだA。待っていろ!」
「おぅやってやるぜ!」
「はは。まぁまだくじ引きに行くだけだし、そーんなに意気込まなくてもいいかな」
いってらっしゃい。そう皆の背中に声を掛けてから、私は一人、ラボに足を進めたのだった。
「ただいま………なんだよ」
「んーおかえりー………?」
ラボで薬品を眺めていた私は、さっと顔を上げた。
ここらの薬品は、特に色があるわけではないが、ただの水を見ているよりはずっと落ち着く。
「皆さん揃って元気ないね。どしたの?」
「試合のトーナメントの組み合わせがの、そりゃあもうダメだったのよ……」
カセキのじいさんが嘆いた。
「そんなにダメだったの?」
「金狼VSマグマ、俺VSマントル、コハクVS千空、銀狼VSアルゴなんだよ!」
クロムはぎゅうと拳を握りしめ、私を見返した。
「そうなんだ」
「………………」
え、ええ…………と。
クロムが何を言いたいか、察しろってか。
急に言われても分からないんだが。
「あ、当ててみようか。…私達の作戦は、マグマを倒して八百長だよね」
今までのその作戦を頭の中で反芻するように、指を動かした。
「だからマグマを倒せる戦力があるコハクをマグマとすぐに戦わせて、何かあったときのための金狼はとっとく。
で、クロムが言った組み合わせはその全てに反している。こういうこと?」
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時