御前試合前 ページ7
「御前試合に出る??ゲホッ」
一瞬、言葉に詰まった。咳と瞬きが増えた。
「僕が申し込んできたんだよー!」
銀狼がちょいとばかり気色悪い目でラボへと入ってきた。
「千空は14歳以上で未婚だもんねえ?」
「あぁ村人じゃなきゃダメなんて決まりはねえみてえだからな」
二人は今、同じ目をしていた。スイカは首を傾げる。
「いつの間に千空と銀狼、こんなに仲良しになったんだよ?」
「なんかノリに乗ってる……というかね。ゲホッ、ゲホッ」
「ゲス要素が二人を結びつけたな」
コハクは腕を組んだ。何だかもう、笑ってるみたいだった。
「しかし千空、君の戦闘力では……」
「ククク……勝つ気はねえよ。相手疲れさせりゃ儲けもんだ」
疲れさせることすらも出来なさそうだと思うのは私だけ?
「それにホラ!仲間同士の試合になったら…」
銀狼のイマジン。
「あーやられたー」(´∀` (C=(´∀` )
「楽々突破じゃない!?味方選手が多ければ多いほど、良くない!?」
銀狼は目をにんまりとさせ、舌を長くした(物理的)。
「………銀狼が仲間だと、こうもゲスさが増すんだねぇ」
「いやそこは頼もしいって言うところじゃない!?」
まぁ科学王国らしいというか。
変に正義ぶっているより全然いいかな。
……………………………。
……………いや、いいのか?
******* *
「というか私って、村に入れないんじゃないの?」
村の橋の前ではたと気づいた。部長も立ち止まった。
「御前試合に出る訳じゃないし、村人でもないよ。”ついに降り立つ、一歩目だ!”みたいなこと出来ないんじゃない?」
「どうすんだ、門番」
「…………………」
金狼は門番、と言われて黙りこんだ。仲間に村に入るな、とは言いにくいんだろうか。
「まぁ一応ね、口実は考えてあるんだよね」
私は人差し指を立てた。
「初めて会ったときに金狼銀狼はこう言った。
”村の外に人間はいない。よそ者は過去に追放された罪人。よって入れることはできない”」
「ああ」
「つまり、罪人じゃなければ村に入れる。私は罪人じゃない。ので私は入れる。
二つ目、私達を罪人とするならば、罪人である部長を御前試合に出場させ、勝ったときに巫女の夫になり、村人になることが出来る、というのは矛盾している。
なら別に入っていいんじゃない……?みたいな」
「……なるほど」
金狼は私の説得に頷きはした。
果たして金狼は、村の立ち入りを許すのか━━━━?
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時