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投与 ページ26

「お、ゲン。テメーは入るなよ。男だしな」

部長はにやにやして、ゲンを手で制した。いや私は?女は籍入れられるからいいって?
私は少し軽蔑の目を送るが、部長はこっちを見てくれない。

ゲンはしばらく考えていたが、伸びるような声で頷いた。

「んー?まぁわかったわかった。待ってればいいのね?」

「あ゛ぁそうだ。おら行くぞA」

切り替えがはやい部長は、さっさと私を村の橋の上へと押した。ゲンはくるりと背を向けて行ってしまう。
うーむ……よかったのか?あれで?

「部長?なぜそこまでしてゲンをラボに置いていきたいの?なんか悪いことした?」

「違えよ」部長は歩きながら言った。「あんな堂々と炭酸があって気づかねえのか?」

「炭酸?」と言って、気づく。「あ、ゲンはコーラが好物とか言ってたね」

なるほど。じゃあラボで今ゲンはコーラを飲んでいるという訳だ。私は結構勘が鋭いのかな?

まあ、コーラでゲン幸せなら、いっか。

******* *

「ルリさん。これが薬になります」

私は部長から瓶を受け取り、蓋を開けた。
なぜかルリさんへのサルファ剤の投与は、村のど真ん中で、大々的に行われた。なんで?
ルリさんは女だから、女科学マンの私が行った方がよかろうとコハクが提案したのだった。

私がルリさんに近づくと、ルリさんはたじろいだものの、きちんと座り直した。さすがは巫女。

さらさらと、葉の上の薬包紙のサルファ剤がルリさんの口に流れていく。ちゃんと水を飲んでもらい、薬の投与は終了だ。

「ではルリさん、次に診察をさせて頂きますね」

******* *

「む……どうしたものかぁ……」私は首を捻りに捻った。

診察を終えてラボに戻った私と部長は今、ネズミの解剖中だ。
村に来る前はたくさん解体をしてきたので、ネズミはさくさくと解剖出来た。まあ、気色悪いことに変わりはない。

「肺に炎症が……」

赤いぶつぶつは、もう細菌のそれだった。




ぶつくさと呟く私を尻目に、部長は外に出て、しゅるしゅると顔に着けていた布を取った。

「問題は菌の種類だ。

もしルリが肺結核……つまり敵が結核菌なら、今の俺らに太刀打ちする術はねえ」

その言葉に、皆はごくりと唾を飲んだ。

ルリ危篤→←悲しみは薄れ



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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時

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