検索窓
今日:41 hit、昨日:11 hit、合計:7,511 hit

橋の上で(私) ページ20

「クロム、よかったよ」

私はクロムに称賛を投げた。クロムは腫れた目を気にしながらも叫んだ。

「おうよ、俺だけの力じゃねーぞ!全員で勝った!」

「……だね」

クロムのその、はっきりとした瞳の奥が見えたからだろうか。

ふと、部長が死んだ日のことを思い出した。


━━これは俺と、杠と、万里と!そして千空の、力を合わせた闘いだ!



そう、あの時大樹が言った言葉が、鮮明に蘇る。
あの時は杠に、大樹に、部長に、私の、四人の闘いだった。



今は、もう違う。



これから、仲間は増える。
今、新しい仲間とともに、クロムの勝利を喜んでいる。

━━━力を合わせた闘いだ!

………………。




「……おめでとう、クロム」

私は皆が囃している脇で、小さく手を叩いた。

*******

「んじゃAちゃん、俺達は出よっか」

「ん、うん」

ゲンに促され、そのまま出口へと脚を運ぶ。

「部長、頑張ってね」

私が部長に向かって手を振ると、部長は突然、はっと何かに気がついた顔をした。

「?」私は部長の顔色を伺った。「なんか顔が赤くなってるけど……恥ずかしいことでもあった?」

「んな訳あるか!」まだ赤いまま、部長は私の背中を押した。「テメーはさっさと出やがれ!」

コハクが何故か私の方を見てにやにやしている。何故だ。

「んん?分かった」

押されながらも、私はゲンとともに端を渡った。






ゲンは横を歩きながら、湖の向こうの山々を見つめている。
水面は光に反射して、きらきらとこちらに笑いかけているようだ。


橋の真ん中くらいまでさしかかった時、ふいにゲンが口を開いた。

「じゃ、Aちゃん。たくさん話して貰おっか!」

「は、何を?」私はゲンを見上げた。

「え、相談するよって言ったじゃない?」

相談する?

ああ、御前試合の前にゲンが言っていたやつか。

「そんなことは一言だって言った覚えはないね」

断言できる。”私は”言ってない。ゲンは「Aちゃんって、何か俺に冷たくない?」と、小さくこぼしていた。

「相談ね……ゲンはしたい?」

逆に問い返すと、ゲンはにこりとして言った。

「そりゃあね。こんなカワイイ子が悩んでるのに放っておけないでしょ?」

「あぁそうですか」

適当に相づちを打っておく。こいつ、なかなか気持ち悪いことを言うな。





でも、相談、か……。

杠以外にしたことがないな。
………なら一回、メンタリストを信じてみようかな。

新しい人を→←原作通り……



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。