数字 ページ18
Aは、視線をマグマ達の方へ移して言った。
「クロムが収斂発火を成功させるには、マグマを足止めさせないといけないよね。……どうする、ゲン?」
Aはゲンに問うた。
つまり、ゲンに何かをしろということだ。
ゲンは苦笑して尋ねた。
「……発火までに何秒かかるか、分かったりする?」
「まぁ大体は」
Aと千空が反応した。
「部長」Aは、それだけ言って、千空に寄った。
「あ゛ぁ」二人は、ぴったり背中を合わせた。
それ以上の会話は必要ない。
Aは頭を回転させた。
脳裏に、数字式公式が流れ込んでくる。
t×1,37×10³×0.025²×3.141592=2.684097665……
「2.68……×t」Aが一番に呟いた。
「毛皮=紙として、比熱1.3kの0.90g/cm³に発火点300℃」
「服の厚さ0.3cm、集光面積1cm、体積0.24cm³」
Aは目を細めた。頭がすっきりした状態で暗算をしたいからだ。
石化期間3700年分の暗算能力というのは、そこらの計算得意とは訳が違うのだ。
1.3×0.9×0.24×573.15=160.94052
2.68t=160.94052
t=60.052432835821━━━━━
「「60秒」」
「ジャストだ」千空が付け足した。
「オッケー!こっからはメンタリストの仕事だね!」
ゲンは勢いよく柱から飛び降り、反対側にまわった。
やれることはやった。
あとはゲンが何をするのかを見物するだけだ。
マグマはゲンの姿を見た途端、顔のシワが深くなった。
それもそのはず、ゲンは、マグマが殺そうとした者なのだから。
そんなものには目も暮れず、ゲンは意味のない”印”を結んだ。
同時に、花弁を辺りに降らせ、周りに知らせるように叫ぶ。
「マグマちゃんに今!一歩でも動くと心臓が爆発する妖術をかけちゃったよ〜」
ゲンにとって、Aや千空にとって、この動作は全て茶番妖術だと、そう考える。
しかし嬉しくも悲しきかな、妖術が絶対に嘘っぱちだと思う者は、今のところ科学王国の者だけだ。
辺りの観衆はどよめいた。
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作者です。
計算シーンまじで難しかったです。理解するのに2日かかりました。
https://ggstudymatch.
net/2021/01/19/drstone_calc_1/
この方のサイトの動画を拝見してお借りしました。本当にありがとうございます。
あと数字多くてすみませんでした。
あと視点変わりすぎてすみませんでした。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時