ポケモン本部【あの空の先で】 (ページ25)

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「……知能が低いと、噂話で真実に辿り着いた気になる。実力が無いと、確かめる事を誰かに丸投げにする、か」
　そうハイドはぼやいた。思うことはあるだろうが、誰もハイドに反論しない。その様子を見てハイドはさらに勢いづく。

「そこのネズミと仲が良いかだと？どう思う？なあ？？」
　コラッタは突然高圧的に問われて「ひえ」と小声を漏らす。ハイドはコラッタから目を離すとライを横目で見た。

「ああ、答えはＮＯだとも。あの時確かに会話はしたが、それはこいつが名前を聞いてくるから『当てろ』と言っただけ」

　色々と端折られてるが、まあ確かにそんな会話だった。ということはやはり、あの時当ててみてと言ったのはハイドということになる。

「それだけの会話で俺たち仲良し判定だってさ。ははは、世間のオトモダチのボーダーは随分と低いなァ！」

　ライはそのハイドの言葉を、漏らさず聞く。先程まで色々あったというのに、もうライの目はハイドに惹き付けられて離れない。

「なあ、黄色の救助隊サン。その答えは見つかったか？」
　ハイドが何気なくライに聞いてきた。ライは、はっと我にかえると──悩むこと無く返事をした。

「ずっと遠い、あの空を見てた君……」
「……」
「まだ、僕は──」

　ハイド、とは答えなかった。それはあの時の彼とはなんだか違うような気がして。その時マニューラが横槍を入れてきた。「はあ、やっぱり仲良しで笑う」と。ムラサメがキッとマニューラを睨んだ。

「これで仲良しなら、お前の周りには親友しか居ないんだろうな？ずいぶんと賑やかなことで」

　そして続ける。

「どこから噂話を仕入れてるかは知らないが、あまりお尋ね者どもと会話はしない事だな」
「ハア？」
「お前の行動パターンとここ数日の行先は全て把握している。行動は全て筒抜け、嘘は罷り通らない。隠すこともこの俺の前では無意味だ」
目の光り方が変わった気がした。ライにはそう思える。青い光、何を考えてるのかわからない目。それはあの時の彼に似ているようで、でもまだ違う。