ポケモン本部【あの空の先で】 (ページ24)

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「親しげに、あのハイドと！こいつハイドの関係者かもしれねえんだぜ？そんなのがただのポケモンなわけあるかよ。しかもなんだ、ジゼルの推薦？はあ～、よく出来た話だぜ」

　すると周りのポケモンのたちが「期待の新人はハイドの知り合いなのか？」と漏らす。「期待の新人とは言うけど本当にただのポケモン？空の地震やサーズと本当に関係があるんじゃない？」などと漏らし始める。ムラサメが大声で「そんな訳ないだろ、よく考えろ！」と張り上げた瞬間、マニューラが拘束からするりと抜けた。
「しまった」とムラサメが漏らすが、もう遅い。マニューラはライをあからさまに蹴り飛ばして、入口の方へ向かう。

「化け物の知り合いは化け物なんだよ。やだね、こいつ絶対なにかやらかすよ」
　そうして出ていこうとした時──マニューラが開けるよりも先に、扉が勢いよく開いた。その扉に顔面から当たったマニューラがごってんと鈍い音を出しながら3歩ほど後ろまで飛ばされる。

　入ってきたのは、青いキリキザン。話に出てきた張本人。ハイドだ。

　転けたマニューラを片足でぐいっと物を退かすように通路から押し退けると、当然のように掲示板の前まで進む。彼が来ると、辺りは本当に静かになるのだなとライは思った。

「ハイド……」ムラサメがそう呟く。するとハイドはニッコリと笑いながら「ああ。毎回勝てもしないのにキリキザン全一の俺に挑んでくる残念なムラサメくんか」と言った。ムラサメがむっとしながら「次は俺が勝つんだからあまりでかい顔すると後悔するからな！」と威勢よくがなる、が、次もなんだか負けそうだ。

「残念な雑魚ども。ただでさえ作業効率が悪いのに何を怠けてるんだ？」
　働けよ、働くことでしか頑張れないんだろ？とハイドは鼻で笑う。勿論この場にいる全員をだ。

「あの、ハイドさん……？」するとまさか、コラッタが彼に話しかけた。

「今ハイドさんの噂でここが持ち切りで……なんでもあの期待の新人と仲良くおしゃべりしてたそうじゃないですか？あの子とは知り合いで……？」
　それに対してハイドが少し黙る。というか何か間が空いた。話を整理している、と言った感じだが──。
　ライには明らかに『感情が出なくなった』と思った。機械的な顔をしている。そうとも思えて、なんだか怖くなった。絶対に。あの時の彼とは表情が違うのだと。