ポケモン本部【あの空の先で】 (ページ19)

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掲示板の前には相変わらずたくさんのポケモンがいるが、この時間は昨日より空いているような気がする。
「ああ。来たか、期待の新人さん！」と突然後ろから声をかけられライは「ひぇあ！！」と声を出し振り返った。──そこには、昨日色々と悶着を起こしたあの警察本部のポケモン・アローラコラッタがいた。確かブーバーンのチームの……。

「まさかジゼルさん推薦のポケモンだったとはな！」
「え、えへへ……ま、まあね……」
　もう苦笑いを浮かべながらそう答えるしかなかった。一応「たまたま彼に見つけてもらって、話を通してもらっただけだけど……」と付け加えたがちゃんと聞いてもらえたかは怪しい。

「あまりチョーシ乗んなよ！救助隊の新人ってこと忘れずに色が上の俺たちにはケーイを払え！」
「う、うん……わかった」
　結構強めにグイグイ来るコラッタに思わずそう頷いたが、頷いたあとにちょっと後悔した。調子乗れるくらい上になってやる！とまで思わなかったが、何故こんなに強くあたられてるのかがさっぱり分からない。

「け、警察本部のポケモンがどうしてこっちの掲示板に？」
「最近掲示板は共同で同じところに貼られるようになったんだよ。たぶん警察本部とこっちの救助本部をハシゴしながら働くポケモンへの配慮なんだろーが、混雑して仕方ねえぜ」
　なるほど。だからあんなにわらわらとポケモンが集まってたのかあとライは妙に納得した。

「あ、ムラサメさん！」──どこからがそう声がした。辺りを見渡すと見た事のある容姿のポケモンがライの前に現れた。間違いない。キリキザンだ。
　そう言えばさっきの女の子、ユリたちがその名前を口にしていた気がする。

　ハイドとは違い、真っ赤な赤色の身体。表情もハイドと比べれば子供っぽいというか、童顔という訳では無いがどこか赤の抜けきらない顔をしていると思った。

　コラッタが突然態度を変えて「ああ、ムラサメさん！今からお仕事ですかあ？？」と愛想の良い笑顔を見せる。ムラサメの着けるバッチの色は、青。同じ色だがコラッタがペコペコしてる様を見るに格上なのかもしれない。と、ライは思った。よく見たらムラサメとコラッタの着けるバッチとライのは少し形が違った。

「おまえ、また新人をいじめてるな？」ムラサメが想像してたよりは低いアルトボイスでコラッタにそう呆れたようにぼやく。コラッタは「いえいえ～！ただ本部のこと教えてただけですよー！」とニコニココラッタは笑った。