兄を求めて 6 ページ8
シャス?side
オスマンさんが落涙し、しんぺい神さんには「気にしなくてええからな」と言われた。
そして何やら大きいパソコンの前に座らされ、右腕出してな、と言われたので、私は素直に腕を差し出した。
しんぺい神さんの懐から出てきたのは、先端に針がついたもの。
sn「ちぃと痛いけど我慢してな」
と言い、肘裏に針を刺した。
チクッ、と刺さり、不意にいたっ、と声を出してしまう。
しんぺい神さんの持っている筒状の物を見ると、私の血がどんどん無くなっていくのが目に見てとれる。
そうすると、突然目の前が暗くなった。
目元には温もりがあり、オスマンさんに目を抑えられているのを確認できる。
そうすると時期には針が抜かれ、大丈夫だよー、と言われて、何かを貼られた。
『あ、ありがとうございます』
os「さ、立てる?」
sn「貧血なのに血ィ採っちゃって悪かったね、」
『大丈夫です、多分…』
os「じゃあ次は総統に挨拶やね、行こか。じゃ、ペ神、頼んだで」
sn「おっけー」
と言い、オスマンさんは私の手を握り、医療室を後にした。
『お、オスマンさん、次は…』
os「総統室やで、この国のお偉いさんに会うんや」
振り向かずに淡々と話す彼に、私は不思議に感じたことのある感覚を伴う。
なに、この感覚は。
頭をいくら回転させても、この感覚は分からない。
手を引かれ、階段を上がっては廊下を歩く。
『…オスマン、さん』
私は何故か声を上げ、変な質問をしていた。
『…私とオスマンさんは、どこかで会ったこと、ありますか?…覚えて、いてくださったんです…よね、』
私の名前、知ってるし。
と付け足すと、オスマンさんはぴたりと歩くのをやめた。
os「教えへん。シャスが記憶を取り戻し、俺を思い出すまではな」
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作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/novel/usiro_member/
作成日時:2018年6月17日 14時