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『はー、疲れたー』

○○は一日の仕事が終わると、真っ先に自室へと向かう。部屋には癒しの君が待っているのだ。

『ただいまー!』

さぁ、今日も癒してもらおう。元気な声で自室に入る。

「おかえりー」

『・・・・・・・』

○○の癒しの君は、言葉を発さない。挨拶を返した人物は・・・。

『・・・神威、何やってんの・・・』

団長の神威。まぁ、恋人なのだが・・・。来るという連絡はなかった筈。となれば不法侵入扱いしてもいいだろう。

神威は○○の癒しの君、大きな兎のぬいぐるみを抱き締めて、ベッドの上に胡坐をかいていた。

「待ってたよ」

『・・・神威、そこ退いてくれないかな?後、その兎返して』

「・・・・・・・・」

○○がそう言うと、兎を抱き締めたまま、ゴロリとベッドに横になってしまった。しかも、ど真ん中。一人用のベッドだから、真ん中に居られては横になる隙間が無い。ウチの団長様は、一体何がしたいのだろうか。新手の苛め?

「○○のベッドとコイツは俺の手の中だ。返して欲しくば・・・」

正に、悪役の台詞。どうやら、何かが欲しいようだ。しかし、神威はその続きを言おうとせず、口を閉ざしてしまった。どうしたのだろうと、○○は首を傾げる。

『神威・・・?どうしたの?』

「・・・どうして欲しいか、自分で考えて」

『えぇー』

困った。どうすればいいのか・・・。

『せめてヒントっ』

「・・・最近、俺と○○がしてない事」

そう言って、じっと○○を見つめる。

『えっ』

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作者名:桜輝 | 作成日時:2020年12月25日 20時

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