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「そうなんでしょ、飛雄。」
相変わらずの他人を挑発するような目と口調。
「そうだ、って言ったらどうしますか。」
「何もしないよ。
だって俺はあの子のこと知らないし。
ただね？
ただでさえバレーの神様に愛されているお前が、
どんなことにおいても、
万物の神様に愛されているってことが、
物凄く腹立たしくて、憎いだけだよ。」
冷たい声が、夜風とともに身体を冷やす。
「不器用な飛雄には、
恋愛なんて100年早いんじゃない？」
二人とも無言で歩き続ける。
彼の家は、一度だけ中学の時にお邪魔したことがあった。
確かそれは夏休みの最終日で、俺の溜まりすぎた宿題を片付けるのを、
岩泉さんや金田一、国見に手伝ってもらったような。
………結局、その宿題は、終わったのだっけ？
「サーブ、まだやってんの」
「当たり前じゃないすか、
ジャンプサーブ、なんとか出来る様にはなってます。」
「……俺だってレベルアップしてるからね。」
彼に一度だけ、サーブについてのアドバイスを貰ったことがある。
その場に誰がいたのか覚えていない。
あの時の俺にとっては、
後々クラスメイトや両親に話すくらいの一大イベントであり、
この上ない嬉しいことだったのに。
あの時、彼がどんな風に言葉を投げかけてくれたのか、
一欠片さえも覚えていない。
「……上手くやってんの、」
「それなりに。」
「……あとは恋愛さえ成就すればって感じ？」
「まあ……そう、ですね。」
この人との思い出は、
"かつて"の話だ。
だからこそ、パズルのピースが埋まっていない、
そのピースそのものを失くしてしまった、
そんな気持ちになるのだ。
「恋愛相談なら乗ってあげるよ？
及川さん、恋愛マスターだからね。」
「……遠慮しときます。」
「お前、本当失礼だね。」
「そうスか？」
もう、昔のことなんて覚えていない。
かつて、
楽しい、嬉しい、悔しい、悲しい。
そういう気持ちを抱いたことさえ、記憶にない。
ただ、不可抗力のまま、消えてしまうのだ。
"及川さん、サーブ教えてください！"
"やだね！俺はもう帰るんだよ！
バーカ！バーカ！"
「当たって砕けちゃえばいいのに！」
舌を出して、ひらひらと手を振って去って行く。
その後ろ姿が、
"かつて"の後ろ姿と重なった。
それでも消えないボールの落ちる音。
それを上塗り出来るものを、この3年間で見つけ出せるだろうか。
その記憶の中の断片に、
果たして彼女はいるのだろうか。
『失くなる日』
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mono(プロフ) - さくらまめさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。できるだけ皆様に納得していただけるような、素敵な展開にしたいです！パート3でも宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (
レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 湖々さん» コメントありがとうございます。長かったようで短かったです！笑 納得のいく可能な限り最大限のエンドにしていきたいです！そう言っていただけて嬉しいです。パート3でもお待ちしています！宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 真夜花@影山厨さん» コメントもありがとうございます！本当に素敵なイラストで、嬉しすぎでした。そう言っていただけて嬉しいです。ぎこちない2人ですが、今後とも見守っていただけると嬉しいです。パート3も宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
さくらまめ - パート２お疲れ様でした!!monoさんが書かれるもどかしい二人、いきいきしているサブキャラたちが大好きです！これからも応援しています!パート３も待ってます（*^_^*） (2014年11月17日 20時) (レス) id: 50383f2ae3 (このIDを非表示/違反報告)
湖々 - いよいよパート3ですね!!どんな風に展開するのか楽しみです。更新無理せず頑張ってくださいね、もちろんパート3も愛読させていただくと思います、笑 (2014年11月15日 8時) (レス) id: cdc5b89ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mono | 作成日時：2014年8月7日 21時
