もう一度、抱きしめたい。【TH】 (ページ43)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:56,958 hit

43 ページ43

次の日。

俺は、久しぶりのデートが楽しみすぎて、かなり早くに待ち合わせ場所に着いていた。

思い返せば、そもそもデート自体本当に久しぶりだった。初デートのときにプラネタリウムに行ったきりで…。

あの時は本当に緊張したな。好きな子と一緒にいるだけでこんなにドキドキするんだって、驚いたっけ。

俺はその時のことを思い出し、一人笑んだ。今日は、あの時よりもいい格好を見せなくちゃ。デートプランもしっかり立ててある。服もちゃんとお洒落して来たし…。

そうして、愛しい彼女のことを待っているときだった。

「テヒョン」

ーーその声は、俺の待ち望んだ彼女のそれではなかった。俺が顔を上げると、そこには、あの写真に俺と一緒に写っていた女の子が、立っていた。彼女は俺に微笑み、こう言った。

「テヒョン、今日デートだったんでしょ？でも残念。あの子は来ないよ」
「…どういうこと？」

俺が問うと、彼女は言った。

「私、今朝彼女に会って来たの。テヒョン、今日はあの子を迎えに行かないって知ってたから。だから、あの子が家から出て来るのを待ってた」
「…」
「私、あの子に言ったよ。テヒョンが過去にしてきたこと。全部話した。私とテヒョンがどんな関係だったかも」

彼女が言った。俺は彼女を見据える。

「…君と俺の関係って？別に俺たち、付き合ってなかったよね？」
「うん。でも、関係は持ってたよ？それこそ、テヒョンと彼女がまだしてないことも、たくさんしたよね？」

彼女が微笑んで言った。俺は眉を顰める。