もう一度、抱きしめたい。【TH】 (ページ41)

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それから、俺はAとひと時も離れないよう心掛けた。学校の行き帰りは勿論、部活や休み時間にも、時間さえあればAの隣にいるようにした。

Aは最初ばかりは申し訳なさそうにしていたけれど、暫くそれを続けていくと少しずつ慣れてくれたようだった。

そして、ジミナとホソク先輩のお陰もあってか、Aに対する嫌がらせは、段々と影を潜めていった。

それにつれて、Aの表情も段々と明るくなっていって。俺とAは久しぶりに休日、デートに行く約束をしていた。

「明日、晴れるといいね」

学校からの帰り道、手を繋ぎながら、Aが言った。俺は微笑む。

「大丈夫だよ、天気予報では晴れって言ってたから」
「でも、最近の天気って変わりやすいから…あ」

Aが、何かを思い出したように言った。俺は彼女を覗き込む。

「どうかした？」
「洋服…決めてなかった。どうしよ、久しぶりにテヒョナと出掛けられるからって舞い上がりすぎて忘れてた…！」

Aがこの世の終わりみたいな顔をして言う。俺はそれが可愛くて、つい笑ってしまった。

「ふふ、大丈夫だよ。Aは何着ても可愛いから」
「…ありがとう。でも、やだよ。折角のデートだからちゃんとお洒落したいもん」

今日は徹夜で服決めなきゃ、と意気込んだAに、俺は眉を下げて言った。

「ダメだよA。折角のデートだからこそ、ちゃんと寝て？明日寝不足で楽しめなくても知らないよ？」
「…それはイヤ」

そう言って、Aが口を尖らせる。それが堪らなく可愛くて、俺はついその唇にキスをした。

「…？！ちょ、テヒョナ…！」
「ひひっ、もーらい。可愛い顔してるAが悪いよ」

赤い顔して俺を睨むAに、俺は笑う。