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5時間目は体育だ。昼食の後ということもあり、オーバーな動きはかな〜りキツい。
だが、この新世界高校では、体育の前には必ずウォーミングアップとして走らなければいけないというルールがあるのだ。
外体育だったら400mグラウンド1周。中体育だったら、体育館内3周だ。
「はあ、はあ…。もう無理…！まじでキツ〜い！」
「ナミ、まだ1周目よ。そんなにへばってたらこれから生きていけないわ」
「人生は関係ないわよ！
というか、なんでロビンもAも、そんな涼しい顔で走れる訳ぇ？」
私みたいな人間は、何も考えてないから疲れに鈍いんだよ。なんて言えるはずもなく、私もナミ達の若干前を黙々と走る。
運動は苦手では無い。別に、大会で結果を残せるほど得意という程でもないが、楽しいと思えるので苦ではないのは確かだろう。
「お前ら！だべってないでさっさと走れ！」
『…走ってますよ』
サカズキ先生、通称赤犬の声によって一気に現実に引き込まれたが、とりあえずは残り2周だ。
＊
”パス！””ナイスシュート！””ドンマイ！”等と言ったプレイ中の声に加えた黄色い歓声。そして、シューズによるキュッキュといった耳に障る音が響く体育館内。
体育館でバスケットボールをする際、コートは2面使える。本日の体育は、男女別でのバスケットボールだ。
「A！パスよ！」
『ん？あ、ああ』
ビビからパスが渡ってくる。私はそのボールを受け取り、バウンドしながら数歩進む。
『ナミちゃんぱーす』
だが、やはり私は目立つことがあまり好きでは無い。そのため、ボールを貰ったところで直ぐに他へ受け渡してしまう。
「ちょちょちょっとA！もうちょっとぐらいイケたでしょーが！」
怒声を上げながらボールを追いかけるナミを見て、少し申し訳ないなとは思うものだが、私のためだと思って大目に見て欲しい。
『頑張れー』
とりあえず、未だボールを追いかけるナミにエールを送った。別にやる気がない訳では無いのだが、間延びした私の声はナミにはやる気無しに見えるようで、再び彼女の怒りを買う。
ふと、男子がバスケをしているコートを見た。
ルフィ、ゾロ、サンジが主軸。そしてそれに振り回されるコビー。なんとな〜く予想出来ていた完璧な配置に、ぎこちない笑みが浮かんでしまう。
(トラファルガーは？)
トラファルガーはきちんと交じれているのだろうか。
そもそも、あのトラファルガーにボールをパスしたりできるか？私は出来ない。
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作者名：あまちー | 作成日時：2022年9月19日 23時
