ギュッとして！ ２

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「ほんまに入るんか？」



「もちろん」



目線の先には女子しか入らへんようなキラキラしたショップ。



「男が行く場所か？」



「男は入るなって書いてへんやろ？グズグズしとらんと入るで」



腕を引っ張られて渋々店内に足を踏み入れる。



「さあ、何にしようか。指輪？ネックレス？」



「いや、さすがに指輪とかネックレスはないやろ。そんな親しくないんやし」



「えー、そうかなあ。ええと思うねんけどなあ…じゃあ、髪飾り？」



「うん、そうやな。それが一番ええわ」



髪飾りにすることが決まり、髪飾りのコーナーに向かう。



「いやあ、それにしても女の子しかええへんわ。僕らめっちゃ浮いてる」



「堂々としてればええねん」



そう言ってる水田は本当に何だか分からないけど、堂々としている。



「さすが恋愛スナイパー」



「ありがとう」



髪飾りのコーナー前に来たのはええものの、すごい量やった。



「何にしたらええの…」



「そうやなあ…Aちゃんは髪が肩下くらいやから、ヘアピンよりヘアゴムの方がええと思う」



ほうほう。



「あと、Aちゃんはあんまり飾りがゴテゴテついとらん方がええと思う。シンプルなやつ。例えばこれとか、」



水田くんが手に取ったのは紺色で真珠みたいなチャームがついているリボンのヘアゴムだった。



「ええやん、似合うと思う。それにしよ」



「なんか適当すぎへんか？」



「そんなことない。絶対似合う」



「賢志郎がこれでええんやったらそれでええけど…」



僕にとっては髪飾りなんてよく分からんし、何よりAちゃんに似合うものならなんでもよかった。



それと早くここから出たいし。



レジでお金を払ってヘアゴムを貰う。



小さっい紙袋を持って、店の外を出た。



「でもありがとな。水田くん。お陰でええもん買えたわ」



「Aちゃん、喜んでくれるとええなあ」



「そうやね。あと、１５日に発売されるＤＶＤ。あれも今買ったのと一緒に渡そうと思うねん」



「ええやん！Aちゃん俺らのこと全然知らんへんかったしなあ」



「そうやねんら、だからこのＤＶＤ見て僕らのこともっと知って欲しいし、漫才している僕を、好きになっても欲しいねん」



「おお〜、言ったねえ」



「それにまだ発売されてへんの渡すの、なんかすごない？」



「すごくはないやろ〜、」



Aちゃん、喜んでくれるとええなぁ。

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