F-16 ページ42
.
「うーんなんか違うな…」
ちょっともっかい見せて、と言う渉にスマホを渡そうとすると。
俺がやらかした。
「あ… 送信ボタン押しちゃった…!!!」
「ちょ、とりあえずメッセージ取り消して」
「取り消し?!?! 取り消しってどうやってやるんだっけ!!」
「長押し!!」
「長押し?!?! どこを?!?!」
太輔落ち着け…! と渉に言われている間に。
「どうしよう既読ついちゃった…」
あちゃー… と渉も困った顔をする。
「返事は?」
「今のところない」
今何時だ? という渉の声で時計を見ると、7時15分だった。
「太輔の家とここ、10分あれば往復できる?」
「うん、まあ」
「じゃあ30分後にここ集合」
「はい?」
「遅刻しないでね」
とりあえず準備してこい、30分後絶対な、と強く言われ、家に戻ってばたばたと着替え鞄を持ってきっかり時間通りに渉の家の前に到着した。
「さて行きますか」
「どこに」
「彼の家」
…はい?
誰の家だって?
「北山さんの家。正確に言えば北山さんが住んでる部屋の扉の前」
「そんなの聞いてないんですけど!」
「だって言ってないもん」
渉悪いヤツ…!
「行ってどーすんの、つか俺ムリ」
「一緒に仕事場行くのも悪くないでしょ、彼を落とすためです」
「でも、、」
「いい? 太輔」
肩をガッと掴まれる。
「キング藤ヶ谷を思い出せ。高校時代の女を弄びまくってた頃の太輔を出せ」
「俺もうあれ封印したんだけど…」
「とにかく甘い雰囲気出してこい。お前ならできる」
「は、はあ…」
340人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:谷山 | 作成日時:2018年10月7日 19時