【ONEPIECE】権力 (ページ9)

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｢此処で御座います｣

案内された場所は、
雑草すらも生えていない、廃れた畑。

『暫く手付かずだったのね』

Aが土を掴み、離すとサラサラと落ちる。
土が完全に乾いていた。

｢ここ最近、雨も降らなかったので…｣

Aは土に念を送ると、
土が水を吸った様に、潤いを取り戻す。

『…これまで通りに育てれば、問題無いわ』

｢？。分かるのですか？｣

『実際に育ててみれば分かる筈よ』

口で言っても信じきれない。
当人達が経験しなければ、分からない事だ。

『他に困った事はあるかしら？』

｢い、いえ…！
ここまでして下さり有難う御座います！｣

『それなら良かったわ』

Aは腰を上げる。

ｸｻﾞﾝ｢もう、良いので？｣

『えぇ。次の所へ行くわ』

いつの間にか隣に居たクザンが声を掛けてくる。

｢もう行ってしまわれるのですか…！？

豪華な物は出せませんが、
せめてお礼をさせて下さい！｣

『貴方達の笑顔が何よりのお礼になるわ』

｢そんな…しかし！｣

『私は見返りが欲しくてやってる訳じゃないの。
愛は人に与えるモノよ？求めるモノでは無いわ』

｢っ…！｣

男性は地面を頭に付けて、土下座をする。

『何をしているの？』

｢有難う御座いました…！！
貴女様がいらっしゃらなければ、
この国は死んでいた…！

何とお礼を言えば良いか…！！！｣

『どうか、顔を上げて』

涙でぐちゃぐちゃとなった顔を上げる。

『貴方達は本来、私を恨むべきだわ』

｢そんな事が出来ましょうか…！？｣

『これからこの国が豊かになるわ。
それは、本来在るべき姿なのよ。

この国が廃れてしまったのも、
海軍を呼べないのも、
天竜人の存在があるからよ。

決して、それを忘れてはならないわ』

｢そ、それは…でも！｣

『いいわね』

相手からは顔は見えぬが、
柔らかな口調から微笑んでいる事が分かる。

『行きましょう。青キジさん』

ｸｻﾞﾝ｢えぇ…参りましょうか｣

クザンはAの後ろ姿を、ただ見つめた＿＿＿＿