【ONEPIECE】権力 (ページ7)

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島へ着くと、
そこへ住む者達が絶望した顔で港に集まっていた。

それはそうだ。
天竜人が非加盟国に訪れる理由は奴隷を探す為…
そんな事くらいしか無い。

天竜人に手を出せば、国は消される。
いや、手を出せもしない。
何故ならば、隣には海軍大将が居るからだ。

『随分と荒れてるのね』

ｸｻﾞﾝ｢非加盟国だからなー…
海賊に荒らされても海軍に助けを呼べねェ。

これまで健気に復興を繰り返しては、
荒らされての繰り返しだったんだろう｣

船から見える国の廃れた有様。
今まで国民達は諦めずに復興作業を繰り返していた様だ。

『行きましょう』

ｸｻﾞﾝ｢かしこまりました。A様｣

クザンが切り替えると、二人は船を降りる。

｢！！｣

｢頭を下げて！！｣

Aが船から降りると、
国民達はすぐ様、地面に頭を伏せる。

『＿＿＿あら？何をしているのかしら…？』

Aの言葉に国民達は大きく肩を揺らす。
"何か不手際があったのか"…と、皆は冷や汗を流した。

Aは近くに居た子供の顔を上げさせる。

『素敵なお洋服が汚れてしまうわよ』

Aが子供を立たせると、
服に付いた土を払う。

"天竜人"には頭を下げる。
その意味が分からない歳頃の子だ。

｢お姉ちゃんは…コワイ人？海賊？｣

『いいえ。私は海賊では無いわ』

｢申し訳御座いません！！！
とんだ御無礼を！！罰なら私がお受け致します！！｣

｢お母さん…？｣

母親らしき人物が、子供を抱き締めて、
地面に頭を付けて謝罪する。

『顔をお上げなさい。
子供の前でそう簡単に頭を下げては駄目よ』

｢…！！｣

母親は恐る恐る顔を上げる。

『どうか聞かせて頂戴。
此処で何があったのかしら』

Aは優しく母親の頬を撫でる様に触れる。
靡いた風でふわりと顔隠しが浮く。

Aを見上げていた母親は、
自然とその隠れた顔が視界に映る。

｢＿＿＿＿あぁ…｣

人は絶対的な美しさを前にすると、
ただ呆然と眺める事しか出来ない。

人離れした美しさに、
母親は開いた口が塞がらず、ただ見上げていた…