【ONEPIECE】権力 (ページ16)

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ｸｻﾞﾝ｢んー、そろそろか？｣

『あら、早いわね』

あの後、マリージョアに戻るにはまだ早い為、
近海を彷徨っていた。

しかし、とうとう日が暮れ始め、
マリージョアへと向かっていたのだ。

ｸｻﾞﾝ｢後、もう一周｣

『だーめ』

ｸｻﾞﾝ｢もう少し、
甘やかしてくれたっていいじゃないのォ｣

『充分、甘えてるじゃない』

クザンは今、
Aを膝の上に乗せている状態だ。

首に顔を埋め、
後ろから抱き締める様に腕を回している。

ｸｻﾞﾝ｢こんなの、
甘えてる内に入らないでしょうが｣

『貴方が猫なら、
ゴロゴロと喉が鳴ってると思うわよ？』

Aが優しく、クザンの頭を撫でる。

ｸｻﾞﾝ｢俺はペット扱いかァ？｣

『いいえ？そんな事は思ってないわ』

ｸｻﾞﾝ｢行動がそう言ってんの。
どーしたら、応えてくれるんだか｣

『ふふふ。本気じゃない癖に』

クザンがAの顎を上に上げ、
顔隠し越しに視線を合わせる。

勿論、クザンからは見えていないが＿＿＿＿

ｸｻﾞﾝ｢俺が本気なら、
あんたは俺のモノになってくれるワケ？｣

『貴方が一番、良く分かってる筈よ？』

ｸｻﾞﾝ｢…あららら。
振られちまったな。こりゃ｣

クザンは｢あーぁ｣と、Aの頭に顎を乗せる。

『少し、重いわ』

ｸｻﾞﾝ｢俺の心の重み｣

『ふふふ。
なら、しっかりと受け止めないとね』

ｸｻﾞﾝ｢これが、素なのが恐ろしいぜ｣

目的のマリージョアまで後、数十分＿＿＿＿＿＿

・

ｸｻﾞﾝ｢ほら、天竜人様｣

『有難う』

特に段差等は無いが、
船から降りる時に手を貸してくれる。

少しでも触れたい。
クザンから、そんな気持ちが伝わってくる。

『また、何処か出掛ける時はお願いするわ』

ｸｻﾞﾝ｢そうする方がいいさ。

俺以外を選んだ時にァ、
俺ァ、嫉妬で何するか分からないからねェ｣

『ふふふ。それは、恐ろしいわね』

Aは船から降りると、
クザンの手を離す。

『それじゃ、お仕事頑張ってね』

ｸｻﾞﾝ｢嫌な事を言うんじゃないよ。
忘れてたんだから｣

『ふふふ。
それじゃぁ、またね。青キジさん』

ｸｻﾞﾝ｢あぁ｣

Aはクザンに手を振ると、
ボンドラへと乗り込んだ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿