【ONEPIECE】権力 (ページ11)

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『ふふふ。駄目よ』

Aはクザンのアイマスクを下げ、
目を隠す。

ｸｻﾞﾝ｢おー。手厳しいな、こりゃァ｣

『もう少し練習する事ね』

ｸｻﾞﾝ｢あらら。
俺の口説き文句はお気に召さなかった様で｣

『えぇ。残念ながら』

Aが本のページをめくる。

ｸｻﾞﾝ｢なら、振られた男は惨めに寝るとしますか｣

『おやすみさなさい』

ｸｻﾞﾝ｢少しは慰めてくれたっていいじゃない。
せめて、おやすみのチューくらい欲しいもんだ｣

『子供の様な事を言わないの』

ｸｻﾞﾝ｢ったく…甘えてるんだよ｣

『ふふふ。分かってるわ』

Aはクザンの額にキスを落とす。

ｸｻﾞﾝ｢っと…これは予想外｣

クザンは淡く頬を染める。

ｸｻﾞﾝ｢もしかして、脈アリ？｣

『額や頬くらい、誰にでもするわよ？』

ｸｻﾞﾝ｢こーゆう時は、
嘘でも脈アリって言うもんでしょ｣

『私は正直な女なの』

ｸｻﾞﾝ｢悲しい程にねェ｣

『ふふふ。おやすみ』

ｸｻﾞﾝ｢あぁ。おやすみ｣

暫く経つと、静かな部屋には、
クザンの寝息とページをめくる音だけが響いた＿＿＿

・

・

ｸｻﾞﾝ｢＿＿＿っと、不吉な予感｣

クザンが突然目を覚まし、アイマスクを外す。

『あら？敵襲？』

ｸｻﾞﾝ｢んー…よからぬ野郎が近付いて来てるなァ。
ったく…旗が見えんのかねェ｣

天竜人が乗る船には世界政府の旗が飾られる。
それは、周知の事実。

ｸｻﾞﾝ｢どんな馬鹿野郎か、
面を拝まなきゃァならねェな｣

｢よっこらせ｣と、クザンが起き上がる。

『行ってらっしゃい』

ｸｻﾞﾝ｢おー、行ってきます。
危ないから此処で大人しくしてなさいね｣

『ふふふ。分かってるわ』

ｸｻﾞﾝ｢そりゃ、安心だ｣

クザンが部屋を出て行くと、
Aはアイスティーを口にした＿＿＿＿＿＿