【ONEPIECE】薄明【暁天:番外編】 (ページ9)

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意識【サンジ】2 ページ9

日が沈み、
辺りは真っ暗になる。

皆が寝静まっている中、
敵襲に襲われない為にサンジとAは見張りに立つ。

＿＿＿昼間は暑いけど…夜になると随分と冷え込むな。

少し肌寒さを感じた。

ｻﾝｼﾞ｢Aちゃん。
夜は冷え込むから、俺のジャケットを羽織って｣

『！。…有難う』

Aの気持ちに気付いたのか、
サンジはAの肩にジャケットを掛ける。

潮風と共に煙草の匂いが微かに漂う。
Aは嫌な気はしなかった。

ｻﾝｼﾞ｢冷え込むからか、星が綺麗だな。
Aちゃんと見れて嬉しいよ｣

『それは良かったな』

いつも通り口説いてくるサンジを、
Aはテキトウに流す。

『…あ。今日の新作の飲み物、美味しかったよ』

ｻﾝｼﾞ｢そりゃ、良かった！自信作なんだ｣

『甘酸っぱくて、暑い日にはピッタリだったわ。
あんなに美味しいモノを作れるなんて、凄いわね』

Aの言葉に、サンジは驚いた顔を見せる。

『変な事言った？』

ｻﾝｼﾞ｢…褒められると…つい、嬉しくて｣

サンジの耳が僅かに赤かった。

『そんなに…？
貴方の腕前なら言われ慣れてるでしょ』

ｻﾝｼﾞ｢いや、
Aちゃんに褒められたからこんなに嬉しいんだ｣

『…それは良かったな』

すんっと真顔に戻るA。
通常運行のサンジに呆れる。

＿＿＿＿＿＿ﾊｧ…こんなんで、異性として見れる訳…

Aはナミに言われた事を思い出し、
サンジの目の前に手を出す。

ｻﾝｼﾞ｢？｣

『手も寒いから暖めて？』

急に握るのも可笑しい。
なら、寒いを理由にして握れば問題ない。

Aは調子に乗るサンジの事を想像しながら、
握り返してくれるのを待つ。

『…？。サンジ？』

握り返してくれない所か、返答が無い。

Aがサンジの方を見ると、
こちらから顔を逸らしていた。

『…握ってくれないの？』

ｻﾝｼﾞ｢…い、いや。に、握らせて貰う…｣

こちらから顔を逸らしたまま、
サンジはAの手を恐る恐る、握った。

『有難う』

ｻﾝｼﾞ｢…お易い御用さ｣

サンジの手は暖かく、
徐々に体温が移っていく感じがした。