彼氏が他の子ばかり見るので、私は消えようと思います (ページ7)

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ピコン、と夜中にスマホが鳴った

……相手は誰だかもう予想はついています

“すみません。急用ができたので、昨日話した外出の件はまた別の日に変えてもらってもよろしいでしょうか？”

『………急用とは、ユウさんとのお出かけのことですか？ねぇ、ジェイド君』

私よりもユウさんが大事ですか。その急用とやらは彼女である私とのお出かけよりも、大事な用事なんですか

私がここで嫌、なんで、どうして、なんて返したらジェイド君はどんな気持ちになるんでしょう
こんな自分勝手で我儘な女とは付き合えない。と別れを告げられるんでしょうか

『……こんな気持ちなんてなくなればいいのに』

ジェイド君と別れるのが嫌だなんて、こんな我儘な気持ちはいりません。こんな、こんな____ｯ

私はジェイド君が好きで好きで、大好きで、こんなにも愛しているというのに、彼はこちらを見向きもしない

『苦しいです、苦しいよジェイド君』

ジェイド君は私の人生をこんなにも狂わせているんです

だから私も、貴方の記憶に、人生に少しでもいいから、私という女が、彼女がいたということを刻みたい。残しておきたい

ねぇ、どうやったら私のことを考えてくれますか

何をしたら貴方の1番になれますか

“そうですか。それなら仕方ありませんね
また、予定が合う日に出かけましょう”

『………うぅ……っジェイド君、ジェイド君…！』

ポタ、ポタ、と暗闇の中光るスマホを濡らしていく水滴

それはしばらくすると形を変え、キラキラとした泡になり、冷たい空気の中へと消えていった