【文スト】芥川龍之介の姉

一 ページ2

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最近、この街____ヨコハマに虎が彷徨いているらしい




「本当に此処に虎は現れるんでしょうか」

暗い倉庫のような場所で自身の膝を抱えポツリと呟く彼_____中島敦は虎に何度か襲われそうになったと云い囮として武装探偵社の目的である虎の捕獲に協力している



「現れる」

そう自信を持って応える包帯だらけの男____太宰治に敦は不安を隠せなかった。




「芥川さんは怖くないんですか？」

敦は太宰から太宰の横に座る人物に目を向け聞いた。大人っぽい見た目とはいえ女性だ、こんな薄暗いうえに虎が現れる場所は危険なのでは…なんて敦の心配とは裏腹に彼女_____芥川Aは応えた

『怖くない、虎が現れても私たちの敵じゃない』

『後、芥川さんじゃなくAでいい』

と冷たい表情だが優しい声で云った





「すごい自信ですね

太宰さんもAさんも羨ましいです」








ビューーっと風が吹き始める




「却説、そろそろかな」



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