ラテのある日1 ページ40
「やぁ、リリーかい。探したぞい。」
本当に居たわ。
すごーい!
「あはは、ごめん。今お風呂を満喫していて。」
グリーンの髪をかきあげて笑う。
「はっはっは、そうかいそうかい。心もスッキリしているみたいだなぁ。」
ん、、、?
首をかしげるとおじいちゃんは何も言わずに嬉しそうに笑った。
「リビングでみんなが待っているぞ?昼食の時間だ。」
「もう、そんな時間なのね。」
「時間を忘れるほど何かに夢中になっていたのかい?」
(とぼけてるね、おじさま)
泉は水晶玉の声に耳を貸さずに笑った。
「えぇ、とっても素敵な時間を過ごしたわ。」
水晶玉が照れているのが伝わってきた。
「まだ夜じゃないぞ?午後はこれから始まるんじゃ。」
泉はおじいちゃんと一緒に本館へ向かった。
*****
ラテ視点
「ラテ、その薬品を持ってきてちょうだい。」
「これ?」
薬品を差し出すとラテの師匠である医療師のアンジェリカが眉をひそめた。
「これですか、でしょうラテ。言葉遣いは基本中の基本です。」
今度はラテが眉をひそめた。
でも患者さんを見て思いとどまる。
「申し訳ございません、アンジェリカ先生。」
師匠はうむと頷くと薬品を受け取って目の前に患者さんに向き直る。
「薬草学で薬品を被ったのですね。もう一度薬品を被ってもらいます、、、大丈夫ですよ、そんな顔をしないでください、、あっという間に、、、。」
師匠は喋ってる最中に突然薬品をかけた。
驚いた患者は悲鳴をあげて気絶した。
「ちょっ、、師匠!」
ラテは患者を受け止めて師匠を睨む。
師匠も負けじと睨み返した。
「こうでもしないと魔法で薬品を壊されてたのよ。見えなかったのアイツ杖を握っていやがった。」
さっきとは違う、言葉遣いも適当で顔の笑みが消えたいつもの師匠が愚痴を吐いた。
「最近の小僧は、痛みを我慢する精神力が弱い。こんなんじゃこの先生きていけないね。」
ラテははぁとため息をつく。
ラテはこの師匠の背を見てずっと育ってきた。
ラテの行儀のなさはこの師匠譲りである。
「その小僧は、そこのベッドに適当に寝かせておけ。そのうち目を覚まして攻撃されないように杖はあらかじめ取っておいて。」
ラテは言われた通り適当、、、いいや慎重に小僧、、、いいや患者を寝かせてから杖を引っこ抜いた。
随分立派な杖だこと、ふん。
「あぁ〜!疲れタァ、その杖そこ置いて。」
背伸びしながら師匠は指をさした。
「あ、患者が来た。」
ラテがそう言うと師匠はスッと姿勢を正し満面の笑みを浮かべた。
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ザン(プロフ) - かなとさん» 外しました。 (2019年8月17日 2時) (レス) id: 8e20d05d05 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年8月15日 16時) (レス) id: ba1b78c8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月15日 16時