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オーラ ページ48

傘をさして二人肩を並べて歩く。

ピチャッ、、、ピチャッ

水たまりに映る自分を見る。

片寄くんの隣にいるのって結構勇気いるよね。

特に私みたいな凡人は。

生まれながらの美貌と生まれながらの凡人顔。

はぁ、、、。

「なぁ、」

片寄くんに呼ばれて隣を見る。

「何?」

「いや、なんか俺と会ったことないか?」

びくりとなった。

まさか、お店の時に見えちゃった?

不安が駆け巡る。

「え?会ったことないよ。何言ってるの。」

動揺していることがバレないように笑った。

「だよな。俺、急にどうしたんだろ。」

頭をかきながら、片寄くんは呟いた。

バレてない、、、のかな?

泉はホッと安堵する。

それもつかの間突然空気が引き裂かれるような気配を感じた。

「、、、、っ!?」

とっさに周りを見回す。

「おい、どうしたんだ?」

片寄くんの声も聞こえず泉は周囲を警戒する。

これは、、、ものすごい魔力のオーラ。

でも、ここは人間界だよ。魔法使いがいるわけないのに。

気のせいだよね、、、、そう思いたかった。

「キャーーーーーッ!!」

校舎からたくさんの悲鳴が次々と上がった。

「、、、!?なんだっ!?」

泉は片寄くんを自分に引き寄せると校舎を見上げる。

魔力のオーラ、突然の悲鳴、これは偶然なのか。

大臣の仕業か?、、、違う、アイツこんなオーラじゃない。この独特のオーラは。

泉の目が見開かれる。

2年前、、、、農家一軒一軒回って家族めった殺し、、、唯一生き残った男、、、例外、、、天野カレンの父、、、、黒い服を着た、、、。

泉の頭の中に加藤さんの言葉がグルグルと渦を巻いてよみがえる。

「森林、、、?」

「そうかっ!なんで気づかなかったんだろ。」

片寄くんは驚いて泉を見る。

「黒い服って言ってなんでピンと来なかったんだ!?加藤さんは言ってなかった、刺されたって」

泉は前髪をかきあげる。

「犯人は家族を刺して殺したんじゃない、得体不明の死因だったんだ。」

片寄くんが恐る恐る聞いてきた。

「それって2年前の事件のことか?死因が刺殺じゃないって?」

「真犯人は、この世界のやつじゃない。」

泉はそう言うと校舎へ急いだ。

残された片寄涼太はその後ろ姿を呆然と見つめていた。

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設定タグ:片寄涼太 , グク , 魔女   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時

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