天野 カレン ページ39
怖い女子、、、、？
「誰なの、その子。」
周りの女子たちは互いに目を見合わせて言いたくなさそうな雰囲気になる。
「無理に言わなくても良いよ。別にそんな興味ないし。話題が欲しかっただけだから。」
慌てて言い足すとさっき教えてくれた女子が苦笑する。
「森林さんって正直だね。絶対言わないでよ。」
その子は声を潜めて言った。
「天野 カレン、お母さんが女優さんでモデルをやってる子。」
「ジョユウ？」
「まさか、女優知らないの？」
あり得ないという雰囲気を察し慌てて笑う。
「いや、もちろん知ってるよ。驚きすぎて。」
ははは〜と笑うとその子も「だよねー。」と言って笑った。
、、、ふぅ、今日調べてみよう。
「自分が可愛いからって調子乗ってるの。」
別の女子が苦虫を噛み潰したような表情で言った。
「美人の彼氏はイケメンじゃないとダメ！だから片寄くんにアピールしるみたい。」
ほうほう
「全く効果ないけどねぇ。」
クスクスと周りの女子が声を押し殺して笑う。
、、、ん？まてよ。これは陰口ってものじゃないかい？止めた方がいいよねー？
「さすがに言い過ぎだよ？事実でも心の中にしまっておこ？」
「そういう森林さんも結構ひどいこと言ってんじゃん、ははっ。」
泉はこてりと首をかしげる。
私がいつひどいこと言ったのよ？
「まさかの自覚なし？面白いんだけど。」
「あははは、、？」
よく分からないけど笑うとまわりの笑い声が一層大きくなった。
その時だった。
「何を大きな声で笑っているの？」
子供のあどけない声だけど深く突き刺さる声がした
その声でさっきまで笑ってた女子達の表情が消える
「面白そうだから私も入れて？」
声のする方を見上げると毛先がカールされている目がつり上がってる美少女がいた。
美少女は私をチラリと見るとふっと鼻の先で笑った
「えっと、転校生の、森林 ポン子ちゃんだっけ？」
まわりの空気がピリッとする。
泉はポン子がポンコツとか豚とかの嫌味だとは知らず、ブハッと吹いてしまった。
「ごめんなさいっ！あの、私森林泉です。ちょっと違ったので面白くて。」
「あ、そうだったね。間違えてごめんねー。」
美少女はさっきの無表情を全く感じさせない満面の笑みで謝る。
「いいよ。あの、名前は？」
「えぇ〜？なんで名乗らなくちゃダメなの？名札あるんだから見てよぉ〜。」
さすがの泉にも彼女が泉を嫌っていることが伝わった。
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作者名：ザン | 作成日時：2019年8月7日 0時
