鬼が唯一恐れた女（鬼滅の刃）

弐拾玖ノ型（錆兎side) ページ30

炭治郎が俺の面を切り




誰よりも硬く大きな岩を切った。




正直、驚いた。




驚くほどの成長、呑み込みの速さ、強い芯。




炭治郎は立派な男だった。




『フゥゥゥ・・・』




「・・・・！」




最初に俺はAに謝りたい。




俺はどこかで君を見下していたのかもしれない。




Aにはこの岩を切ることが出来ないと。




炭治郎が岩を切った時に見せたあの絶望的な表情。




それから二日お前は来なくなった。




それもあってか、お前には絶対無理だと思っていた。




しかし、今は撤回したい。




俺の目の前にいるAは、、、男だ。




「・・・ハッ、」




底知れないほどの強い者が発する威圧。




二日前のまだ女だったAと見間違えるほどだ。




あの二日間、お前は何をした。




・・・・・・来る！




Aが大きく刀を振り上げた。




刀と刀がぶつかり合う音。




まだ、力は弱い。




しかし、前より確実に強くなっている。




速い、弱い、威圧が凄い。




息も乱れていない。




「・・・まだまだだっ、このままじゃお前は負ける！」




『・・・・ッ！！！！』




振り払うと、見事な受け身でまた体制を整えた。




『・・・・フーッ、フーッ、フーッ』




「呼吸がみだれ・・・・」！！？？




目が、赤くなった・・・？




・・・・また来る！




さっきより威力が上がっている。なんだ、これは・・・！




声が出ない。こちらの呼吸が乱れる！




これは一体・・・！お前は、何をしたんだ・・・！




ーーーーーー




「どういう事だと思う、真菰。」




「・・・・分からない。」




彼女は岩に切れ込みをいれた。




炭治郎と違い、岩を真っ二つに切ることは出来なかったが




その威力は凄まじい。




切られた影響で、辺りにひびが入り、崩れ始めている。




これがどういう事を言うのか・・・




彼女は岩を切ったのではなく




破壊した女だと。

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