彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ49)

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195話ですページ49

「第１回夏の特別企画ホラー映画視聴会ぃいいいい」

夏祭りから数日が経ち世間はお盆という行事を迎えた。

けれども月に数度しかない勉強会はお盆もクソもないらしい。綾直々に来るように夕方頃、電話で言われた私は雲雀家屋敷に来ている。

けれど客間に入った瞬間、上記のように綾が叫んだのだ。私はそれを聞いて踵を返せば「待って待って」と止められた。

「なんで来て早々帰ろうとするの！？」

「勉強会だと聞いてきたのになんでホラー映画を視聴しなければいけないのですか？」

「いやそうだけど！！全くもってその通りだけど！！たまにはいいじゃないか！！休憩がてらホラー映画を見たって！！」

「何故休憩で映画みなくちゃいけないのですか。それとなんで夕方からなんですか」

「雰囲気が出るかと思って！！ほら夕方の薄暗くなった時分って逢魔が時とかいうでしょ？昔は魔物や妖怪がうようよと……」

「や、やめてください。そんな話！！私がホラーが苦手だと知っていての提案ですか！？？」

青ざめながらギロっと睨むと綾はむぅ、と頰を膨らませる。そんな顔しても承諾はしない。

「ちょっと綾うるさいんだけど。静かにしてくれる？小説に集中できないじゃない」

「あ遥弥兄さん……って私限定！？？」

すると綾の声を聞きつけたのか遥弥さんが現れた。その手には小説を手に持っている。

「あ。ユキ来てたんだ。いらっしゃい」

「お邪魔してます。遥弥さん。あ、これ母さんがお土産にと」

私は遥弥さんに母さんから貰ったお菓子の詰め合わせを渡すと「奈々さんが？ありがとう」と頰を緩ませた。

「それより聞いてよ遥弥兄さん！！」

「……それよりって」

眉を寄せる遥弥さんに気付いてないのかはたまた知らないふりなのか……まあ多分前者だとは思うが綾はつづけていった。

「ユキが一緒にホラー映画見てくれない！！」

「……ホラー映画？なんでまた……」

「だって今、お盆でしょ？お盆といえばホラーでしょ？だからホラー映画をみようと思って」

借りて来たんだ～と言って2、3枚見せる彼女に私は頰を引きつらせた。

「ですから私はホラーは苦手だと！！」

「……ユキ、ホラー苦手なの？」

「え？えぇ……まあ…遥弥さんは？」

「さあ。どうだろうね」

クスリと笑ってはぐらかす遥弥さんに私は小さく息を吐いた。どうやら答えてはくれないそうだ。