彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ48)

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194話ページ48

「えっ、じゃあ……」

「行きなよ。早く」

「息ぴったりですね二人とも。でも無理です、あんなのに突撃していったら死んじゃいますよ」

「いや、それもあるけど……ほら、見て。あれ、弟君じゃない？」

綾の言葉に、弾かれたようにユキがガラの悪い男達に囲まれる雲雀と、その隣にいる半裸の少年……10代目に目を向ける。

死ぬ気モードではあるが、いやだからこそ、彼であることに間違いはない。

彼を取り囲む男達は全員高校生以上のようで、雲雀の殺気の立ち上り具合から推測するに、どうやら彼らが噂のひったくり犯のようだ。

中心にいる金髪ガングロ(死語)の男が、彼らの屋台にあったはずの箱を腕に抱えている。

「盗まれたんだ、あれ。相変わらず迂闊だね、君の弟は」

「返す言葉もありませんが……でもどうしましょう。あのままでは、ツナが……」

「死ぬ気モードになった彼に心配なんていらないと思うけど、万一の場合があっても恭弥兄さんが誰かを助けるとは思えないね」

「助太刀しよっか？守ってあげるから、ちょうどいいからユキもおいで！」

「何がちょうどいいんですか！？」

反論するが、ユキは自分の手を引っ張る綾に抵抗する様子はない。

それだけ10代目のことが心配のようだ。

「加勢するよぉー！」

「10代目！」

「助っ人とーじょー！」

「「「……ん？」」」

偶然にだが声が重なったことで、綾と、それから姿を現した2人……獄寺と山本が、お互い怪訝そうに片眉を上げた。

その揃った仕草に、思わず吹き出す遥弥。

それを不審そうな目で見つめるユキ。

「……どうやら俺たちは要らないみたいだね」

……謎の構造が出来上がったところで、金髪ガングロの男が「気に食わねーガキどもがゾロゾロと……！」と焦り気味に呟いた。

「ヒバリと初の共同戦線だな」

「おおっ、いい感じだね！！」

「冗談じゃない。ひったくった金は僕がもらう」

少し離れたところで、遥弥が気のない声で「頑張れー」と声をかけた。

ユキを守ること以外にやる気がないのが見え見えの態度である。

「や、やっちまぇぇえーー！！」

「「「おおおおお！！」」」

……そして。

戦いは無事に(当たり前だが)、ツナたちが勝利をおさめたのであった。