彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ43)

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189話ですページ43

「ユキ、ちょっと付き合って」

「……はい？」

夏休み真っ只中の8月のとある日。そう(窓から侵入してきた)恭弥さんに言われ連れてこられたのは並盛神社だった。

ワイワイと賑わっている今日は夏祭りらしい。そういえばツナがランボ達を連れてどこかへ出かけたところを見た気がする。

「……あの恭弥さん。これは一体……？」

「風紀委員会は慈善活動やボランティアじゃないから金を取らないわけじゃない。その活動費としてこの夏祭りで出店する店々にショバ代として5万とるのさ。人手が足りないから君も手伝って」

……え。

「で、でも私。風紀委員では……」

風紀委員ではない。と言おうとしたが「はい」と手渡されたのは金糸で刺繍された〝風紀〟という二文字の腕章。そう、これは風紀委員の証である腕章だ。

何故彼が懐からこれを。だなんて疑問は彼の言葉によって解決する。

「じゃあユキも今日から風紀委員ね」

今からはなんといったのだろうか。いや言葉は理解したくはないができる。

「んなっ！？」

目を見開き固まる私に恭弥さんは薄く笑った。その瞳は悪戯に成功した子供みたいな輝きをしている。

「あ、あの……ちなみに拒否権は……？」

「あると思う？」

とか言ってクスクス笑う恭弥さんに私は肩を落とした。なんということだ、拒否権まで奪われた。

風紀委員会ってそう簡単になれるものなのだろうか。
いや、それはないだろう。恭弥さん自らが許可をださないかぎり。
ということは拒否権のない私は所属したことになるのだろう。たっ今、風紀委員会に。

そんな……平凡な日常が……といってもリボーン先生がいること自体、この現況は平凡な日常とはいえないのだが、まあそこは気にしたら負けだ。

「なんでそこまで落ち込むの？普通光栄だと泣いて喜ぶものだと思うんだけど」

「そうですね！！(恐怖のあまり)泣くほどですよね！！普通の人は！！」

なら私は普通じゃなくていいです！！
と叫んでしまいたいがここはぐっと我慢する。

息を吐く私は「綾と遥弥さんは何してるんですか」と尋ねると「2人ともショバ代回収してる」と返ってくる。

「本当は綾1人に頼もうと思ったけどアイツ、すぐにサボるから見張りとして遥弥をつけたのさ」

「……」

遥弥さん。お気の毒に……

「ほらぼさっとしてないで行くよ。……全くなんでこんなに群れてるのかな」

内心合掌していると恭弥さんに腕を引かれた。ブツブツと不機嫌そうに呟きながら。