彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ5)

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151話ですページ5

雲雀家屋敷に到着した私はチャイムを鳴らす。
ピンポーン。と現代らしいチャイム音が鳴り響くと。

「ユキ？ユキだよね！！ちょっとそこで待ってて。すぐ行くから！！」

と断定される。もし私じゃなかったらどうするつもりだったんだ。と思いつつも待つこと数分、正門が開くと同時に綾が顔を出した。

「いらっしゃいユキ！！さあさあリボーン君から事情はお伺いしております。中へどーぞ！」

と早口で言ったと思ったら今度は手を引いた。その時の表情は滅茶苦茶いい笑顔である。殴りたい、その笑顔。

「兄さん！！ちょっといいかなぁ？」

そしてとある部屋に連れてこられたと思ったら襖を豪快に開けた。と同時に飛んでくるトンファー。もちろん綾はそれを素手でキャッチする。瞬発力……だろうか。

不機嫌オーラ全開の彼だったが私を見た瞬間、オーラが霧散した。何故だ。

そういえば恭弥さんの部屋を訪れたのは初めてだったりする。

結構綺麗な部屋だ。並盛と書かれた縦軸まである。しかも書いたのが恭弥さんって……字、結構上手いんですね。

あ、今わかったことだが恭弥さん私服だ。いつもの学ラン姿ではない。

「……それで。綾、僕をこの場に留めて何の用？」

下らないことだったら咬み殺す。そう目が言っている気がする。まさに目は口ほどより物を言う、だ。

綾はニヤリと笑うと「兄さんにはユキと一緒に動物園に行ったらもらいまーす！！」と大声で宣言した。

……付き添い人って綾じゃなくて…恭弥さん！？？

「ちょっ。綾何考えてんですか！！」

ピクリと眉を動かす恭弥さんは目を細める。

「何君、死にたいの？」

恭弥さんが怒るのは当然だ。なんせ動物園といえばたくさんの親子連れや友達、はたまた恋人同士が行く場所。

さらにいえば今日は休日。通常の入園者数よりも多くなる。そんな人がたくさん集う場所に恭弥さんを連れて行くだなんて……

綾は地獄絵図でもみたいのだろうか。

トンファーを構えちゃってる恭弥さんに綾は怯まない。
むしろニマニマと笑っちゃってる。

この場に合わない笑みに私は首を傾げた。彼を宥める手立てでもあるのだろうか。

「そう。じゃあ恭弥兄さんは行かないんだ」

ふと背後に現れたのは私服姿の遥弥さんだ。その手には小説を持っている。

「じゃあユキ、俺と一緒に行く？大抵の人集りなら慣れてるから手は出さないし」

「え、いいんですか？」

というと恭弥さんの殺気が遥弥さんに向いた気がした……何故。