彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ34)

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180話ページ34

「綾、遥弥さん、見えないんですか？彼らのことが」

「え？ちびユキ、誰かいるの？」

「何も見えないよ」

ユキが電信柱にへばりつく不審者2人を指でさすが、綾も遥弥も首を傾げるだけだ。

窓で隔たれていて、しかも距離もあるので、さすがの2人も気配には気づけないようだった。

「ですが本当にいるんです、あそこに」

そっかぁ、と綾は困ったように笑うが、ちびユキが本物のユキだと知っている遥弥は、しばらく何かを考えたあと、何かを取り出して構える。

そしてスイッチを入れると一瞬だけだが、強烈な光が電信柱あたりに照射された。

そしてその一瞬、人形の影が二人分、電信柱あたりをよぎる。

「あれっ？今、なんか影が見えたような」

続けて遥弥は何やらカメラのようなものを取り出しすと、それを電信柱に向け、覗き込んだ。

ふぅん、と1人で勝手に納得したような彼の声にユキが詰め寄る。

「な、何してるんですか、遥弥さんっ！？」

「間違いないね。光学迷彩だ」

「光学迷彩？でもそれなら、何故私たちに見えたんですか？」

その質問に、大方、設計者が子供だったんじゃないの？とあっさり答える遥弥。

「光学迷彩を見破るためには、迷彩の発光能力を超えた強烈な光を浴びせてみれば、反対側に影ができるって聞いたことがあるから試してみたんだ。

そしたらビンゴだったから、赤外線カメラで見てみたまでさ」

「……にしてもなんでそんなもの持ってたんですか？」

「ジャンニーニさんの私物をかっぱらった」

「あなたは相変わらず性悪ですね」

「…遥弥兄さん、ちびユキと何の話してるの？」

いつの間にか上がり込んでいた山本と話していた綾が、不思議そうにこちらを見る。

遥弥はなんでもないよ、と誤魔化したあと、カメラをダイニングテーブルの上に置いた。

「でもどうして彼らは光学迷彩で隠れたりしてるんでしょう…」

「君の弟を狙ってるんじゃないの？彼はボンゴレ次期ボス候補でしょ」

「つ、ツナを！？」

青ざめるユキに、遥弥はうんと首肯した。

「まず間違いないね。……ほら、獄寺を見てみなよ。必死で止めようとしてるよ」

「ちょっ、遥弥さんも手伝って下さい！」

「面倒だ。自分たちで何とかしなよ……まぁ、本当に死にそうになったら助けてあげるから」

「あなたって人は本当に最悪ですね！」